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Channel: 碓井広義ブログ
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「スミカスミレ」は、桐谷美玲の“演技力養成ギプス”!?

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、ドラマ「スミカスミレ」を取り上げました。


テレビ朝日系「スミカスミレ」
桐谷美玲にとって
“演技力養成ギプス”ともいうべきドラマ
確かに奇想天外な物語だ。65歳の独身女性・如月澄(松坂慶子)が、突然20歳の頃の容姿に戻り、如月すみれ(桐谷美玲)として学生生活を送るというのだから。

とはいえ、同じ「金曜ナイトドラマ」枠で昨年放送された「民王」のように、総理大臣とそのバカ息子、別々の人格が入れ替わったわけじゃない。あくまでも本人だ。松坂は「彼氏いない歴65年の老嬢」を、松坂らしく演じていればOKである。

しかし、桐谷は違う。「中身は松坂が演じる65歳」の女子大生を演じるのだ。本当の年齢を悟られてはいけないと、懸命に“今どきの20歳”のフリをする。しかも澄は一般的な65歳と比べると、異様なまでに古風というか、浮世離れしている。

この見た目と中身のギャップから笑いやドキドキが生まれるわけで、桐谷は、いつも視聴者に澄(松坂)の存在を意識させる形で演技を組み立てなくてはならない。実は「NEWS ZERO」(日テレ系)の“キャスター役”より、よほど難しいのではないか。そう、これは桐谷にとって“演技力養成ギプス”ともいうべきドラマなのだ。

また、強力な助っ人も桐谷を支えている。澄の若返りを図った化け猫役の及川光博だ。持ち前の妖しさと、「相棒」で鍛えられたサポート力を駆使。松坂と桐谷をつなぐインターフェイスとして見せ場を作っている。

(日刊ゲンダイ 2016.02.23)


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