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日刊ゲンダイで、テレビの「清原報道」についてコメント

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日刊ゲンダイで、テレビの「清原報道」についてコメントしました。


初公判で味を占め
民放各局は清原被告で「視聴率荒稼ぎ」
朝刊のラテ欄に〈速報中継〉〈総力生中継〉といったあおり文句を並べただけのことはあったようだ。覚醒剤取締法違反の罪に問われた清原和博被告(48)の初公判。17日朝の傍聴券配布の大行列に始まり、法廷の様子を逐一“総力生放送”した民放各局のワイドショーは、軒並み視聴率をアップさせた。

日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」の平均視聴率は10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区=第1部の数字、以下同)で、前日より2.4ポイント増。続くフジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」は1.5ポイント増の4.6%。TBS系「ゴゴスマ」に至っては前日の視聴率が1.7%に対し、4.1%(2.4ポイント増)まで上昇した。

TBSは日頃から高視聴率をマークする昼の情報番組「ひるおび!」からアクセル全開。MCの恵俊彰(51)が「現在の時刻は1時31分31秒です。あと5分ほどはこちら(スタジオ)でつないで……」とカウントダウンしながら裁判所前の記者を待ちうけていた。雨がそぼ降る中、息を弾ませながら法廷内の様子を伝える記者リレーでライブ感を前面に押し出したフジ「グッディ」の演出にも生中継ならではの緊迫感が漂っていた。

こうしたテレビ局の狂騒ぶりは、球界で一時代を築いた人気選手にもかかわらず、クスリに溺れた清原被告への世間の関心の高さを見込んでのこと。それで実際、数字も稼げたとなれば、31日の判決公判も同じような場面が繰り返されるのは明らかである。そして早くも判決後の“復帰”に関するプランが浮上しているというから抜け目がない。

■復帰は「金スマ」が最有力

「犯罪者の起用はCMスポンサーは嫌悪するが、一発勝負でも視聴率が取れるならどこも狙う。『しくじり先生』という声もあるが、それはさすがにおふざけが過ぎる。ベッキーを復帰させたSMAP中居正広の冠番組である“金スマ”の特番が最有力でしょう」(テレビ関係者)

しかし、数字にはやるテレビマンに対して上智大の碓井広義教授(メディア論)はこういう。

「清原被告は顔と名前が広く知られた人物であり、薬物事件の当事者として判決の様子を報じる必要性はあると考えます。ただ今後については、時期や内容、番組のトーンがより問われることになる。薬物問題に迫るドキュメンタリーや検証番組で体験者として出演するならまだしも、清原被告個人が視聴率狙いでフューチャーされたり、面白おかしく演出がなされた場合、それは番組や放送局だけでなく、テレビ界全体の在り方が問われることになりかねません」

他に報じるべきはあれど、高視聴率狙いで清原狂騒曲を繰り広げるテレビ局。数字にむしばまれたテレビマンに節度やモラルを求めるのは八百屋で魚か。

(日刊ゲンダイ 2016.05.20)


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