「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。
堀埜浩二
『ももクロを聴け!~ももいろクローバーZ 全134曲 完全解説』
ブリコルール・パブリッシング 1,944円
ももクロを知らない人には発見が、知っている人には再発見がある一冊。本人たちやパフォーマンスではなく、ひたすら楽曲を分析。日本の音楽史を踏まえながら、「体裁はポップだが、本質はかなりハードなロック」などと言い切る姿勢が潔い。あとは聴くだけ。
青木圭一郎 『昭和の東京 映画は名画座』
ワイズ出版 2,376円
学生時代を過ごしたのが昭和で、趣味は映画だという元・若者なら、思わずタイムスリップしてしまうことだろう。新宿名画座ミラノ、渋谷全線座、池袋文芸坐地下などで、当時どんな作品が上映され、雰囲気はどうだったのか。建物の内外やプログラムの写真も貴重だ。
とみさわ昭仁 『無限の本棚 手放す時代の蒐集論』
アスペクト 1,598円
著者は神保町のマニタ書房店主。元々ライターだった男が、いかにして“古本屋のおやじ”になったのか。少年時代に始まる蒐集遍歴が開陳され、過去への郷愁と未来への好奇心がコレクターの魂だと分かる。その上で、著者が見つけた本とのつき合い方とは?
(週刊新潮 2016年5月19日号)