「週刊新潮」に、以下の書評を寄稿しました。
斎藤文彦 『昭和プロレス正史 下巻』
イースト・プレス 2,700円
力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木は昭和のプロレス界にそびえる三大巨峰だ。力道山が主人公だった上巻に続く本書では馬場と猪木の活躍が語られる。彼らの独立、猪木対アリの「格闘技世界一決定戦」、そしてUWFの創立。怒涛の歴史がよみがえる。
赤瀬川原平 『レンズの下の聖徳太子』
幻戯書房 3,456円
3年前に亡くなった、赤瀬川原平&尾辻克彦の“初書籍化”作品集だ。後に裁判にまで発展する、千円札を模写した作品が生まれた背景を描く表題作。これまた物議を醸した、『朝日ジャーナル』の連載「櫻画報」をめぐる話など、数十年の封印がようやく解かれる。
(週刊新潮 2017年4月27日号)
松崎順一
『新装版 70年代アナログ家電カタログ』
青幻舎 1,620円
オーディオ、テレビから冷蔵庫や炊飯器まで、家電のカタログが驚きの文化史となっている。過剰なまでの機能の進化とデザインの多様化は、この国の「ものづくり」の底力を思わせる。またカタログという販促ツールの価値も再認識。文庫サイズでの復刊に拍手だ。
(週刊新潮 2017年4月20日号)