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Channel: 碓井広義ブログ
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週刊朝日オンラインで、「フジテレビ」について解説

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深キョン、亀梨、芳根京子ら“討死” 
どうにも止まらないフジテレビの8ブランド低下


フジテレビの低迷はいつまで続くのか--。

芳根京子主演の月9ドラマ「海月姫」は、初回視聴率8.6%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)の月9史上ワースト2位でのスタート。1月22日放送の2話は、6.9%にさらに下降した。火曜放送の亀梨和也主演「FINAL CUT」も23日放送の第3話が6.5%、深田恭子の「隣の家族は青く見える」は18日放送の初回視聴率が7.0%で、25日放送の第2話視聴率はさらに下がって6.2%になるなど、のきなみ苦戦中。今年に入っても復権の兆しは見えてこない。

「もちろん芳根さんはいい女優さんですし、『FINAL CUT』も骨太でいい作品。しかし、たとえ内容が面白くても、チャンネルを合わせてもらえない。そこに困っている状況だと思います」

と、上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は語る。

ドラマばかりではなく、1月からスタートした、山崎育三郎がMCをつとめるバラエティー「世界の村のどエライさん」は、22日放送の第2回でわずか3.3%の大苦戦を強いられている。もはや内容うんぬんというよりも企業のブランドイメージの低下が視聴率に響いているようなのだ。

「フジテレビという名前自体がかつてはブランドでした。しかし、今は『フジでやってるからつまらないんじゃないか』というところまできています。たとえは悪いかもしれませんが、事故や不祥事を起こしたメーカーの商品が売れないような状態なんです」(碓井教授)

先日、碓井教授が若い人たちから、こんな“冗談”を聞いたという。

「テレビのリモコンをいじっていてフジテレビが映ったときに、『あ、間違えた』と感じてしまったことがあったと。これが笑える失敗談のようになっている感覚が、今のフジの置かれている状況を象徴していると感じました。チャンネルを選ぶ埒外になっているわけです」

ある放送作家によれば、チャンネルごと視聴習慣がなくなってしまうと、フジテレビの局番(8)にも不利な面があるという。

「面白い番組をやっているというイメージがあれば、無意識にそのチャンネルからリモコンのボタンを押す。かつてはまずフジをつけてみて、そこから他局をチェックする流れになっていた人は多かった。今は、一番強い日テレからつけて、そこから5、6と順番に回して、面白そうなところで止まる。7チャンネルのテレ東も、池の水を抜いたりなど、見逃せない番組をやってますからね」

つまり、8チャンネルまでたどり着きにくいのだ。負のスパイラルに陥っているかのようなフジテレビ。低迷を脱却する鍵は何か。

「『バイキング』や『めざましテレビ』などが好調で、さらに4月にスタートするニュース番組に元NHKの登坂アナを起用する予定が、スキャンダルで降板など、いろんな意味で早くも話題です(笑)。『ザ・ノンフィクション』などの評価も高いですから、報道・情報系に力を入れていく方針もあるようです」

と前出の放送作家。

碓井教授もエールを送る。

「ブランドの信頼を回復するのも、一晩でイメージ回復というのはできないので、あせらず地道にいい作品を作っていくこと。そこを真剣に考えませんかと言いたいですね」

【本誌・太田サトル】


(週刊朝日オンライン 2018.1.28)


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