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週刊朝日で、「朝ドラ」ベスト20について解説

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NHK「朝ドラ」100 

人気作品ベスト20! 

アンケート&視聴率本誌調査

 

「朝ドラ」の愛称で親しまれているNHK連続テレビ小説は放映中の「なつぞら」で100作目を迎えた。「朝ドラ」は、なぜこれほど愛されるのか。アンケート、視聴率、専門家への取材をもとに、人気作品ベスト20を選んでみた。あなたの一番好きな「朝ドラ」は、どの作品ですか?

アンケートで圧倒的に多くのコメントが寄せられたのが、能年玲奈(現のん)主演の2013年度前期「あまちゃん」だった。

〈展開が面白くテンポもよく、とにかく観てて楽しかった=30代女性〉〈予想のできない展開とオープニングのわくわく感=40代女性〉〈言うまでもない、最高の朝ドラ。主役の能年玲奈さんがまぶしかった=60代男性〉など、鮮烈な印象を残したようだ。

「カーネーション」「ちりとてちん」「あさが来た」の3作品にも熱いコメントが数多く届いた。

11年度後期「カーネーション」〈脚本、演出、役者、すべてが最高の仕事を見せてくれた忘れられない一作=40代女性〉。07年度後期「ちりとてちん」〈伏線の回収が見事。学びが多く、コメディー要素もありつつも毎週泣ける=20代女性〉。15年度後期「あさが来た」〈新次郎さんに癒やされたの一言に尽きます=70代女性〉。

昭和の名作の数々も負けてはいない。平均視聴率52・6%、最高視聴率62・9%という圧倒的な記録をたたき出した83年度「おしん」を支持する声は、やはり多かった。〈時代を超えて人として大切なことが描かれていて現在夢中になっています=50代女性〉と、現在のBSプレミアムでの再放送による人気の後押しも手伝っているようだ。

平均視聴率でみれば「おしん」に続いて、「繭子ひとり」47・4%、「藍より青く」47・3%、「鳩子の海」47・2%など、70年代の作品が上位に並び、00年代以降の作品の平均視聴率が20%前後であることを考えると、そのころはテレビが文化の中心であったことが実感できる。

朝ドラの魅力とは何か。上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は、基本的に女性の一代記であり、成長物語であり、職業ドラマでもある点を指摘する。

「視聴者の多くは女性ですから、その支持を得ることが大前提としてあります。あるときは主人公だったり、あるときは主人公の家族や友達、誰かに自分を投影したり、共感しながら見るドラマなんです」

 ■主人公の成長も大きな魅力に

碓井教授は「ゲゲゲの女房」「マッサン」「まんぷく」の3作品にも注目する。

「マンガ、ウイスキー、インスタントラーメンと、いずれも男性が大成功をおさめた人物で、ヒロインはそれをサポートする役割でしたが、多くの女性視聴者が二人三脚の奮闘を応援したくなる作品でした」

「おしん」の小林綾子、「ふたりっ子」の三倉茉奈と佳奈、「あさが来た」の鈴木梨央など、ヒロインの少女時代を演じる子役もまた、朝ドラの魅力のひとつだ。

〈「おしん」の子役時代には毎朝泣かされた記憶があります=50代男性〉

〈子役のマナカナちゃんのはつらつとして息がぴったりな名演技に元気をもらいました=50代男性〉

「つかみとして非常に重要な存在であることは間違いありません。この子がどんなふうに成長していくんだろうという思いが、リレー形式で演じられるヒロインを見守ることにつながっていく」(碓井教授)

100作目にあたる「なつぞら」は歴代のヒロインらが続々登場することでも話題を集めている。〈優しさにあふれている気持ちのいい作品=40代男性〉と、「なつぞら」のこれからに期待する声も寄せられる。

今秋には通算101作目にあたる「スカーレット」(主演・戸田恵梨香)、そして20年春からは、「マッサン」以来の男性主人公となる窪田正孝主演の「エール」が放送予定。100作は朝ドラの長い歴史にとって、まだほんの通過点のようである。【本誌・太田サトル】

(週刊朝日 2019.08.30号)


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