安藤優子 “現場感覚ゼロ”で晩節汚す
炎天下からの中継強要し批判殺到
19日に放送された「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ系)で、熱中症とみられる状態でリポートが続けられなくなった女性ディレクターに対し、無理に中継を続けさせようとした安藤優子キャスター(61)に批判が集まっている。
リポートは京都の渡月橋から記録的な暑さを伝えるというもの。画面が切り替わると、マスク姿の豊田綾子ディレクターが「かなり暑くて、頭がフラフラしてきますね」と手元のデジタル温度計を見せ、「現在、40度となっております」と説明。
その後、日焼け止めや冷やしたペットボトルやキュウリなどの暑さ対策を説明しようとするのだが、息をゼイゼイさせ、明らかに苦しそうだ。ここで豊田ディレクターは「えーっと、あとは何だったっけかな。すいません、暑すぎて頭がボケッとしているんですね。ごめんなさい。お返ししときますね」とSOS。
スタジオがザワつくなか、安藤は「えー、あたし返されたのね!」と大笑い。高橋克実(59)が「危ない危ない、無理しないで」と言ったが、安藤は「豊田さん! もう一回お返ししていいですか」とピシャリ。豊田ディレクターは「返しちゃいますよね。そうですよね……」と答え、必死にリポートを続けようとするのだが、朦朧とした状態でしどろもどろ。ここでスタジオの大倉大誠アナが「豊田さん、ありがとうございました。いったんこちらで引き取ります」とその場を収めた。
スタジオに切り替わると、倉田アナが、「おそらく取材もよくされて……」と豊田ディレクターをフォローしようとすると、安藤はかぶせるように、笑いながらキュウリの話を始めたのだった。
安藤のこのふるまいに、SNS上では、豊田ディレクターを心配する声や安藤のパワハラだとする声など批判が殺到。
メディア文化評論家の碓井広義氏はこう話す。
「長いことキャスターを続けられている安藤さんですが、自分が偉い人のような感覚に陥ってしまっているのではないでしょうか。情報番組にはたくさんのスタッフがいますが彼女は鵜匠で外回りのディレクターなどは、鵜飼いの鵜のように水に潜ってネタを取ってくる存在としか思っていないようなふるまいです」
■二重、三重の感覚のズレ
碓井氏は続ける。
「視聴者に警鐘を鳴らすことが目的のリポートなのですから、笑っている場合ではない。女性ディレクターの異変を察知したのなら、すぐに退避させ、視聴者には『かように酷い状況なので皆さんも十分気を付けてください』というべきでした。涼しいスタジオの中で、仕事をしている安藤さんには現場の過酷な状況がわからなかったのかもしれませんが、二重、三重の感覚のズレを感じてしまいます」
安藤は今年1月には、カルロス・ゴーンのレバノンでの会見も単身乗り込んだが、会見場には入れず、SNS上では「目立ちたかっただけなのでは」などと揶揄されたことも記憶に新しい。
かつては「以上、現場からでした。」というタイトルの自著も上梓し「現場主義」を標榜していた安藤だが、今回の件も含め、最近はとかく“現場感覚のズレ”を指摘されることが多くなっているのだ。
碓井氏は「9月いっぱいで番組が終了することが決まっている中、どこか緊張感が切れていることも影響しているかもしれません。“立つ鳥跡を濁さず”ではないですが、視聴者が気持ちよく見られるように、最後までしっかりやってほしいと思います」と語る。
これ以上、晩節を汚す前に撤退させるのは局としては妥当な判断なのかもしれない。
(日刊ゲンダイ 2020年08月21日)