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J-CASTニュースで、WEB漫画原作ドラマについて解説

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「ホリミヤ」も!

「ウェブ発」漫画の実写ドラマ化が相次ぐ事情 

「極主夫道」「おじさまと猫」...

ネットならではの「同時代性」取り込む

 

人気漫画「ホリミヤ」を原作とした同名のテレビドラマがMBS・TBSで放送されることが、2020年11月24日に発表された。「ホリミヤ」はHEROさんが原作、萩原ダイスケさんが作画を務める人気漫画で、HEROさんが個人サイトに公開していた漫画が基となっている。

昨今は、このようなウェブ発の漫画を原作としたテレビドラマ化が相次いでいる。どうしてウェブ発の漫画を原作としたドラマ化が相次いでいるのだろうか、J-CASTニュースはメディア文化評論家の碓井広義さんに取材した。

もともとは個人サイトに掲載していた漫画

 「ホリミヤ」原作のHEROさんは2007年7月から、趣味で運営していた個人サイト「読解アヘン」上で、漫画「堀さんと宮村くん」の連載を開始した。これが人気を博し2008年10月、スクウェア・エニックスから単行本が発売された。これの構成をアレンジし、作画担当に萩原ダイスケさんを加えた漫画が「ホリミヤ」だ。こちらは11年11月より「月刊Gファンタジー」紙面上で連載され、シリーズ累計発行部数は570万部を超えたという。

ストーリーは、地味で根暗な宮村伊澄と、優等生で明るく人気者の堀京子を中心とした青春群像劇で、実写ドラマでは俳優の鈴鹿央士さんが宮村役、久保田紗友さんが堀役を務めるという。ドラマは21年2月16日よりMBSおよびTBSで放送される。ドラマと同時に映画も制作されており、21年2月5日に公開予定だ。

「ホリミヤ」はオリジナル版がウェブ連載で、作品自体は雑誌連載なので少し「特殊」なケースではあるが、現在、このようなウェブ発の漫画を原作としたテレビドラマ化が相次いでいる。

読売テレビ・日本テレビ系で現在放送されている「極主夫道」(「くらげバンチ」連載)や、21年1月からテレビ東京で放送予定の「おじさまと猫」(「ガンガンONLINE」連載)もインターネット上で連載が始まったものだった。

どうしてウェブ初出漫画のドラマ化が相次いでいるのだろうか、J-CASTニュースはメディア文化評論家の碓井広義さんに取材した。

碓井さんは、一昔前までは小説を原作としたドラマが多かったが、昨今は漫画を原作としたドラマが増えてきていると話す。その理由としては、小説自体が勢いを失ってきつつあることもあげられるが、大きなメリットはビジュアルがあることだという。

「漫画を原作にしやすい理由の一つにはビジュアルがあることがあげられます。物語をビジュアルで語るのがドラマであり、原作が漫画の場合、映像化を具体的にイメージできて、キャラクターもつかみやすいのです」

また売れているもの、読まれているものをデータ上で検討し、発行部数から視聴率を推測することも可能だという。ある程度のファン規模があればドラマ化に結びつくこと、また当たれば大きな反響が期待できるために、漫画を原作として採用することが増えてきているのではないかと考察する。

ウェブ発の最前線の面白さを取り入れたい

さらに碓井さんは、ウェブ発の漫画が注目されてきた理由として、新しさや手の届きやすさを挙げる。ウェブ漫画は、紙面と比べて掲載のハードルが低いために様々な挑戦が続けられている。万人に受けするものだけではなく尖った作品も多い。制作側はそうした「最前線」を取り入れたいという。

「ウェブ漫画とSNSはどちらもインターネット上のものですから、親和性が高い。それ故かなりマニアックなものであっても面白ければ、リアルタイムで『これ面白いよ』と拡散されていく。また今を感じさせる『同時代性』を持った作品が多数あります。新聞や雑誌などで取り上げられメジャーになる前に、いち早くSNSの評判をキャッチしてドラマ制作に踏み出せば、これまでにないものを展開できる場となる。そうした意味で現在、ウェブ漫画が主戦場になりつつあるのではないかなと思います」

 また多くのウェブ漫画は、無料である程度の話数を閲覧することができる。アマゾンのkindleのようなサブスクリプションサービスや、出版社や漫画配信社などのアプリを用いれば、人気ドラマの原作を無料でスマートフォン上から読むことも容易である。このような環境も、ウェブ漫画が注目される原因ではないかと推測した。

そして碓井さんはウェブ漫画原作のドラマに期待することとして、「大衆受けするものだけではなく、尖ったものや深いものがウェブ漫画にはある。ぜひドラマ化する際には、中途半端に視聴率を取ろうとするよりも、ウェブ漫画を応援する気持ちで、作品の個性を大切にしながら、その漫画の世界観を前面に打ち出してほしい」と語った。

(J-CASTニュース 2020年11月25日)


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