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Channel: 碓井広義ブログ
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信濃毎日新聞などで、「嵐」活動休止について解説

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嵐はずっと、身近で、素直で 

新たなアイドル像を確立 年末で活動休止

1999年にCDデビューした「嵐」(相葉雅紀さん=(38)=、松本潤さん=(37)=、二宮和也さん=(37)=、大野智さん=(40)=、桜井翔さん=(38)=)が年末、NHK紅白歌合戦出場や無観客ライブ生配信を行いグループ活動を休止する。身近さと、率直に思いを伝える姿が国民的人気を博し、エンターテインメントの先頭を走ってきた。

昨年1月、5人で会見し活動休止を発表。「自由な生活がしてみたい」という大野さんの発言に象徴されるように、率直な言葉で受け答えする姿は今でこそスタンダードになったが、そうしたアイドル像を先取りしてきたのが嵐だった。

13年前に嵐の主演映画の取材で初めて5人に接した編集者・ライターの内田正樹さんは「それぞれ高いスキルを持ちながら、他のアイドルにはない素朴さがありました」と振り返る。ゲームや釣りを趣味と公言する姿が親近感を生んだり、バラエティー番組での、まるで放課後の教室で騒ぐ男子のような“わちゃわちゃ”と戯れる雰囲気がほっとさせたりして受け手との距離を縮めてきた。

20周年のライブツアー総動員数は237万5千人。間近で取材した内田さんは「演出を手掛けたのは松本さん。積み重ねた経験とスキルの集大成で圧巻のスケールでした」と語る。「トークコーナーでは、何万人もの観衆を前にしても素の部分が感じられる会話を交わしていて、誰もが身近に感じられる存在感はトップアイドルになっても変わらないと感じました」

新型コロナウイルス禍の中、コラムニスト辛酸なめ子さんは嵐の存在に癒やされた。「手洗い動画などに励まされた人は多いのではないでしょうか」。嵐を「少年っぽさを永遠に封じ込めたような存在。サステナブル(持続可能)なアイドル」と表現。「休止後も年に1曲でも発表して5人で歌う姿が見られたら…」

休止発表後、国立競技場での有観客ライブなど、コロナ禍で中止したプロジェクトもある一方、SNS(会員制交流サイト)開設や楽曲配信などオンラインでの活動を一気に展開。米トップアーティストのブルーノ・マーズさんから全編英語詞の楽曲提供を受けるなどグローバルな挑戦も。

「残された時間、できる限り可能性を追求している。『世界中に嵐を巻き起こす』がデビュー時からの夢。コロナさえなければ、さらにどんな冒険に出ていたのだろうと思います」と内田さん。

メディア文化評論家の碓井広義さんは「休止発表から2年の時間を設け、距離を置いてきたインターネットも駆使してファンとのつながりを守った。よく考え抜かれた『軟着陸』だと思います」。アイドルが群雄割拠し「時々刻々、数値で評価される時代」だからこそ「愚直さのある人が生き残るのではないでしょうか」。大みそかも嵐の5人はぎりぎりまでファンらと向き合う。

 [「嵐」の主な記録]

2009年にCDアルバムが初のミリオンセラー(198・9万枚)となり、年間のアーティスト別セールス部門トータルランキングで初めて1位を獲得した。シングルの週間1位獲得作品は20年の「カイト」で計54作となり全アーティスト歴代1位。アルバムは最新作「This is 嵐」で17作連続1位に。ミュージックDVDとブルーレイディスクの総売上枚数は計1508・4万枚で歴代1位。(オリコン調べ・12月21日付時点)

(信濃毎日新聞 2020.12.27)

*この記事は北海道新聞、岩手日報、河北新報、静岡新聞、京都新聞、四国新聞、山陽新聞、西日本新聞、熊本日日新聞、沖縄タイムスなどにも掲載されました。


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