日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今回は、NHK「応援ドキュメント・明日はどっちだ」を取り上げました。
「応援ドキュメント・明日はどっちだ」
努力、失敗、達成のプロセスを
連ドラ形式で見せる
「応援ドキュメント・明日はどっちだ」(火曜夜10時55分)は、関ジャニ∞にとってNHKでの初レギュラーである。「明日に向かって頑張っている人たちを応援する」がコンセプトで、対象となる人物にある期間、密着取材するのだ。
スタジオには関ジャニの渋谷すばる、村上信五、横山裕がいるが、軸はあくまでも取材VTRだ。これまでに36歳の崖っぷちプロボクサー、赤字温泉を立て直すべく大奮戦する父子、大工の棟りょうを目指して修業中の女性などが登場した。
この番組の特色は、取材対象の取り組みを数週にわたって放送すること。立ちはだかる壁を越えようとする努力や失敗や達成のプロセスを、いわば“連続ドラマ形式”で見せてくれるわけで、そこから見る側の感情移入も生まれるのだ。
たとえば警察犬の訓練士になるために北海道から上京してきた若者は、迫る実技試験を前に犬が自分の思うように動かないことに苛立つ。しかし、やがて犬の気持ちに寄り添うことで活路を開いた。最初に見た時は「大丈夫か?」と思えた青年が、だんだんプロフェショナルの顔のなっていく様子は確かに応援したくなる。
また関ジャニの3人が上から目線だったりせず、挑戦者たちを真摯に応援していることにも好感が持てる。連ドラ型の成長ドキュメントは、彼ら自身にも当てはまるのだ。
(日刊ゲンダイ 2013.06.04)