映画「白ゆき姫殺人事件」を観てきました。
原作が、「告白」の湊かなえさん。
まあ、それが一番の動機で、次が井上真央、貫地谷しほりといった実力派女優陣、そして「ゴールデンスランバー」の中村義洋監督だから、ってところですね。
人里離れた山中で10か所以上を刺され、焼かれた死体が発見される。殺害されたのは典子(菜々緒)で、容疑者は化粧品会社のOL城野美姫(井上真央)。テレビディレクターの赤星雄治(綾野剛)は、美姫の同僚、家族、幼なじみなどに取材。典子が美姫の同期入社で、美人で評判だった一方、美姫は地味で目立たない存在だったことが報道され……。
結論から言えば、映画館で観るのに十分値する、佳作でした。
湊さんお得意の「藪の中」スタイルが生きている。
それぞれが自分の事情を抱えており、自分の都合で、自分にとっての真実を語る。
そう、「記憶は捏造される」のです。
そこにテレビやネット(主にツイッター)などのメディアがからんで、
事態を混乱させ、進展させ、ますます何が本当か、わからなくなる。
この辺り、とても現代的で面白い。
そして、物語の中で、「赤毛のアン」がなんとも有効に使われている。
朝ドラが「花子とアン」というタイミングもどんぴしゃです。
それにしても井上、貫地谷は、やはり上手いなあ。
報道番組の契約ディレクター・綾野剛はハマり役。殺される菜々緒も(笑)。
というわけで、オススメできる邦画の1本です。