5月3日。
朝のニュースは、トップで「今日がゴールデンウイーク後半の初日で、新幹線は満員、高速道路も渋滞中」と、ウキウキした調子で報じていました。
ま、それはそうなんでしょうが、まず、今日は「憲法記念日」であることを伝えるべきですよね。
今朝の朝日新聞。
オピニオン欄に、敬愛する作家・小林信彦さんが寄稿した文章が掲載されています。
題して、「今この国はどこにあるのか」。
書き出しは・・・・
今年のゴールデン・ウィークは、戦後もっとも暗いゴールデン・ウィークだと、私は感じている。
安倍首相が列強国の一つになりたいと焦っている。テレビにうつる顔で、そう思えるからだ。現在の憲法の制約が外されれば、集団的自衛権の行使も一内閣の閣議決定によって強引に押し通せる。国民の声を聞く必要などない。
・・・・「列強国」という言葉が目を引く。そうか、あの首相は列強国を目指しているのか、と納得がいく。
まさに、その通りになりそうで(なりつつあって)、何とも言えない気分です。
また、文章の後半、以下からの部分で、<列強国への道>が説明されています・・・・
安倍政権が〈列強国〉になりたいと願うことから、東京でのオリンピックなどという騒がしいものが出てくる。すべては〈列強国〉になりたいという希望からだ。もちろん、こうした希望は自民党のみのものではない。民主党がみっともない政治(?)をダラダラと演じたので、自民党支持でもない国民が〈経済の安定〉を望み、こうした状態になったと考えてよいだろう。
今の政権の〈列強国〉入り志望を大ざっぱに述べれば――
1 国防軍保持義務のために、憲法第9条を変える。
2 特定秘密保護法を作り、他国の軍隊と協力して海外でも戦争ができるようにする。
3 ODA(途上国援助)の軍事使用を緩和する。
4 集団的自衛権を行使するために、戦争反対の声を抑えるようにし、憲法に基本的人権の抑制を入れ、徴兵制の導入につながるようにする。
5 原発と核燃料処理サイクルによるプルトニウム保有で、未来の核武装にそなえる。
経済から戦争が望まれるようになるのは、アメリカの例を見ればすぐわかる。軍事ビジネスの方向に進むために、安倍首相は異様なほど、テレビの画面に笑顔をさらす。テレビ局は、そのために力をそそがねばならない。
男の子、若者を家庭に持つ人々は、彼らを戦場に送るのを避けなければならない。戦場に送られるのは、幼い私が見たように、彼らなのである。
(朝日新聞 2014.05.03)
・・・・81歳になる作家の、「言わねばならない」という気持ちが伝わってきます。
今日は、5月3日。
「憲法記念日」です。