「日本民間放送連盟賞」(通称「民放連賞」もしくは「連盟賞」)の審査結果が発表されました。
審査員をさせていただいているのは「放送と公共性」部門、「テレビエンターテインメント番組」部門の東京地区、そして「ラジオ生ワイド番組」部門の東海・北陸地区の3つです。
まず、「放送と公共性」部門の表彰事績は以下の通りです・・・・
最優秀 ドキュメンタリー映画とテレビの未来
東海テレビ放送
実施責任者 伏原健之
東海テレビ放送は、平成23年から7本のドキュメンタリー映画を全国の劇場で順次公開した。「平成ジレンマ」「青空どろぼう」「死刑弁護人」「約束 名張毒ぶどう酒事件死刑囚の生涯」など、いずれもテレビドキュメンタリーを再編集したもので、劇場だけでなく各地で自主上映会を重ねてきた。映画化により地方局の番組を全国に発信するだけでなく、繰り返し上映することで埋もれていた問題を顕在化することができた。賛否あるテーマに挑戦し続けていることや、観客のリアルな反応を感じ、テレビの表現が抱える閉塞感を認識するなど、映画化で得たものを生かしてテレビの可能性を広げようとする点が高く評価された。
優 秀 HTB詐欺撲滅キャンペーン「今そこにある詐欺」
北海道テレビ放送
実施責任者 坂本英樹
北海道テレビ放送は、平成25年5月27日から平日夕方の情報番組「イチオシ!」のニュース企画で「今そこにある詐欺」と題して詐欺撲滅キャンペーンを開始。毎日欠かさず情報を伝え続けて放送回数は1年で250回を超えた。被害者の多くが高齢者であることから、細かい詐欺の手口や被害防止のポイント解説を重視し、最新かつ独自の情報を伝えている。理不尽な犯罪を撲滅するという意識を社内で共有するため、特別チームを編成せずに、記者が日々交代で取材にあたる。“毎日詐欺情報を扱うこと”を自ら課していることが番組作りのエネルギーになっている。常に新しい情報をわかりやすく伝え、地域の視聴者を犯罪から守ろうとする姿勢が評価された。
優 秀 「未来へ伝える〜私の3.11」手記募集
IBC岩手放送
実施責任者 姉帯俊之
IBC岩手放送は平成24年から、東日本大震災にかかわる忘れられない体験や伝えたい想いを県民から募集し、ラジオ番組「大塚富夫のTOWN」で朗読している。前身番組から約30年同じスタイルを貫き、リスナーからの葉書やFAXの紹介などフリートークが中心。届いた手記は全て番組で紹介し、平成25年8月には、一部の手記を朗読CD付き書籍にまとめ出版した。普段からの地域密着の姿勢に加え、ベテランアナウンサーの人柄が多くの投稿に結びついている。活字に残すことで被災した県民の思いを末永く語り継ぎ、未来への道標に役立てたいという取り組みが評価された。
優 秀 ヒューマニズムに訴え続けた20年〜日中韓共同制作による相互理解〜
福井テレビジョン放送
実施責任者 豊岡 猛
福井テレビジョン放送は、中国・杭州文化広播電視集団と韓国・春川文化放送との3社間で、平成6年に友好親善協約を結んだ。以来、幹事局持ち回りで毎年1本ずつ共同番組を制作し、それぞれの国で放送している。内容はヒューマニズムに訴えるテーマとし、相互理解を深めることに主眼を置いた。政治情勢の異なる3国での共同作業は決して平たんな道のりではなかったが、長年の社員交流で培った固い絆で乗り越えてきた。政情不安定な時期だからこそ、各国の視聴者に届ける共同番組の意義は大きい。単なる交流ではなく、多くの課題がある中で共同制作を20年間続けてきたことが評価された。
優 秀 報道キャンペーン「暮らしの防災」と、防災・減災を伝える放送外活動
名古屋テレビ放送
実施責任者 五十嵐信裕、大川敦子
名古屋テレビ放送は、南海トラフ地震や台風などによる大災害に備えるため、「暮らしの防災」をニュース情報番組内の週1回レギュラー企画とし、この2年間に約70回放送した。地域住民が日々の暮らしの中に「防災・減災活動」を取り込むことや、普段から非常時の対応を練習しておくことをテーマに制作・放送している。また、番組スタッフが防災に関する啓発活動や人材育成を目的とした講義を行ったり、アナウンサーが災害体験の伝承を目的とした「防災絵本」朗読などを行っている。放送局が“巨大地震は起きる”という前提に立ち、住民による防災の必要性を具体的に訴え続けていること、多岐にわたる地域に密着した放送外活動が評価された。
次に、「テレビエンターテインメント番組」部門では、私たち東京地区審査会が推したWOWOWの番組が優秀賞に入りました・・・・
優 秀 KAZEOKE チャンピオン大会スペシャル
W O W O W
プロデューサー 遠藤 裕、秋葉英行、演出 西方健保、
構成 加藤正人
「風が吹けば桶屋が儲かる」。この「風が吹く」と「桶屋が儲かる」からなる“前後ストーリー”をお題に、間に挟まる“間ストーリー”を、第一線で活躍する映画監督や漫画家といったクリエーターたちが作り、その優劣を競い合うというコンセプト。作家それぞれの物語作りの過程も描くことで、創作作業の面白さを伝えると同時に、仕上がりに対する想像力をかき立てる構成になっている。番組の企画自体のオリジナリティも高い。
そして、「ラジオ生ワイド番組」部門では、東海・北陸地区から推薦した北日本放送の番組が優秀賞でした・・・・
優 秀 とれたてワイド朝生!スペシャル どんとこい!更年期!
北日本放送
制作統括 土肥尚彦、ディレクター 宮腰昌隆、アナウンサー 陸田陽子、木下一哉
月〜金/9時〜11時50分の放送。今回は女性専門クリニックを運営する種部恭子医師をメインゲストに迎え更年期の正しい知識について解説したスペシャル版。更年期に悩むリスナーや更年期を卒業したリスナーからの生の声を放送することで、女性だけでなく男性も更年期について知識や理解を深められる構成となっている。2人のパーソナリティの息もぴったりで、リスナーの更年期に対する関心を更に高めている。
(解説は民放連サイトより)
・・・・いずれも、関係各局の皆さん、おめでとうございます!