ささやかなジャズ・ファンである私でも、ピアニストのセロニアス・モンク(1917~1982)のCDは何枚か持っています。
いい意味で、かなりクセのあるプレーヤーであり、好き嫌いも別れるかもしれません。
村上春樹:編・訳『セロニアス・モンクのいた風景』(新潮社)には、モンクについて書かれたいくつかの文章が収められています。
ちょっと嬉しいのは、何十年も前に読んだ青春ジャズ小説『ジャズ・カントリー』の著者、ナット・ヘントフのものも入っていたことでした。
それから、この本の装幀は和田誠さんですが、表紙で、モンクに煙草のハイライトを差し出している人物、よく見ると安西水丸さんです。
ちなみにハイライトのパッケージ・デザインは和田さんによるもの。
さらに裏表紙にも注目です。
これって、かつて水丸さんが描いた、モンクの後ろ姿なのです。
表紙全体が、和田さんと村上さんが、水丸さんに捧げたものだと、
村上さんは「あとがき」で触れています。
今週の「読んで書評を書いた本」は次の通りです。
谷崎潤一郎 『谷崎潤一郎対談集 藝能編』 中央公論新社
無人島セレクション編集部:編著 『無人島セレクション』
光文社
竹内 明 『背乗り~警視庁公安部外事二課』 講談社
逢坂 巌 『日本政治とメディア』 中公新書
椎名 誠 『地球上の全人類と全アリンコの重さは同じらしい。』
早川書房
三浦 展 『新東京風景論』 NHK出版
三山 喬 『夢を喰らう~キネマの怪人・古海卓二』 筑摩書房
* これらの書評は、
発売中の『週刊新潮』(10月30日号)
読書欄に掲載されています。