吾妻ひでお『ひみつのひでお日記』(角川書店)が出た。
『失踪日記』『アル中病棟』に続く新作だ。
吾妻さんの日常が、文章とマンガで構成されている。
「私のどーでもいい日常の日記、リアリズムなので退屈です」とは、
ご本人の弁。
確かに、食べた、読んだ、見た、描いたといった話が並んでいるが、退屈ではない。
自分自身や外界に対する、吾妻さんらしい“観察”が面白いからだ。
ほぼ全ページに載っている女子高生のイラストも、漫画家的観察眼のタマモノか(笑)。
締め切りのある仕事はプレッシャーになって、またまた心の病が発症してしまうので、全部断っているそうだ。
どうぞ、お大事に。
そして、お元気で。
今週の「読んで書評を書いた本」は次の通りです。
幸田真音 『スケープゴート』 中央公論新社
神田憲行 『謎の進学校 麻布の教え』 集英社新書
佐伯一麦 『とりどりの円を描く』 日本経済新聞出版社
小田嶋隆・岡田憲治 『「踊り場」日本論』 晶文社
渡邊博史 『生ける屍の結末~「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相』 創出版
山田宏一・蓮實重彦 『トリュフォー 最後のインタビュー』 平凡社
* これらの書評は、
発売中の『週刊新潮』(11月13日号)
読書欄に掲載されています。