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Channel: 碓井広義ブログ
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「流星ワゴン」香川照之が演じる“昭和のオヤジ”は絶品

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、TBS「流星ワゴン」について書きました。


TBS系「流星ワゴン」
香川が演じる“昭和のオヤジ”は絶品
脚本の八津弘幸、演出の福沢克雄、プロデューサーの伊与田英徳といえば、「半沢直樹」や「ルーズヴェルト・ゲーム」を手がけた剛腕トリオ。そこに西島秀俊&香川照之という「ダブルフェイス」「MOZU」の強力コンビが加わった。「流星ワゴン」(TBS系)はドラマ好きにとって見逃せない1本だ。

主人公の一雄(西島)は最低の状況にある。会社はリストラ、息子は家庭内暴力、妻からは離婚届だ。ふと乗り込んだ不思議なワゴン車で過去へと向かうことになる。人生の分岐点に立ち戻り、未来のために“修正”しようというのだ。しかも同伴者は若き日の父・忠雄(香川)である。

後に長年の確執が続くことになる忠雄との二人三脚。一雄は自分が知らなかった過去の事実や父の意外な側面を垣間見る。同時に、息子の気持ちを分かっていなかった自分にも気づいていく。とはいえ、過去を変えるのは容易なことではない。

また、ワゴンを運転する橋本(吉岡秀隆)も気になる存在だ。彼は交通事故で息子を死なせたが、抱えているモノはそれだけではないだろう。このドラマは、そんな3組の父子再生物語なのだ。

西島と香川が向き合う場面は、やはり見応えがある。特に香川が演じる“昭和のオヤジ”は絶品。SFチックな設定に抵抗のある人も、一見の価値は十分にある。

(日刊ゲンダイ 2015.01.28)

FLASHで、フジテレビ社長「現場介入宣言」についてコメント

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テレ東に抜かれたフジ亀山社長
大激怒で「現場介入宣言」
「年末年始の視聴率が発表された後、幹部会が開かれ、会議室で大激怒。『今までは我慢して現場に口を出さずにやってきたけど、これからは口を出すッ!』と介入宣言した」(フジ関係者)

フジテレビが年末年始の週間平均視聴率(12月29日~1月4日、ゴールデン・プライム)で、視聴率調査が始まった1963年以来、初の民放最下位に転落。結果の出ない現場に、亀山千広社長の堪忍袋の緒が切れたという。

「『4月以降、全バラエティ番組の制作費を5%カットする』と指令を出した。“口は出すけど金は出さない”通達に現場は頭を抱えている」(前同)

人事にも激震が走った。12月31日、1月1日付でスポーツ局や報道局など、各部署からプロデューサー格の移動が相次いだ。同局は昨年6月27日付で全社員約1,500人の3分の2にあたる1,000人の人事異動を断行したばかりだが……。

「4月から安藤優子キャスターが『スーパーニュース』から午後帯の情報番組に移ることにともなった異動だ。わずか半年強でまた異動になった社員も。総指揮は堤康一情報政策局長で、安藤の夫。夫婦で日テレ『ミヤネ屋』打倒を狙うが、残念ながら勝てる見込みは薄い、というのが局内の見立てだ」(制作スタッフ)

メディア論が専門の上智大学・碓井広義教授は、次のように語る。

「叱咤激励しなければという思いはわかりますが、局のトップが現場に口を出していいことはない。人は成功体験でものを言うわけで、亀山さんの当時の手法が今、通用するのか。現場から『あなたの時代とは違う』と反発され、士気が下がるリスクは十分あります」

“現場に物言う”亀山社長に秘策はあるのか。

(週刊FLASH 2月10日号)

今週の「金曜オトナイト」は、三遊亭とむさんと・・・・

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BSジャパン
「大竹まことの金曜オトナイト」

2015年1月30日(金)
夜11時30分~深夜0時00分

【ゲスト】三遊亭とむ


<出演者>
レギュラー:大竹まこと、山口もえ、碓井広義(上智大学教授)
進行:繁田美貴(テレビ東京アナウンサー)
ゲスト:三遊亭とむ

<番組内容>
◆流出ワイド◆
(秘)三遊亭好楽師匠への手紙
(秘)二ツ目昇進お披露目に16人の元カノを呼んだ!?
(秘)話題のボッタクリ居酒屋で実際に訪問!?
(秘)中国6歳児が1ヵ月に渡りオトナの動画閲覧 
  ネットの規制を考える!
(秘)食品異物混入 企業も消費者も冷静に対応を
(秘)新成人の2人に1人が交際経験ゼロ

◆文化情報コーナー◆
三遊亭とむオススメ書籍
小学校の時にハマった!
「遺産」著者:シドニー・シェルダン
大富豪の死後、突如現れた遺産相続人と称する絶世の美女。
多額の遺産相続をめぐる骨肉な人間模様を描いたサスペンス。

【気まぐれ写真館】 我が家の梅、ほぼ満開 2015.01.29

【気まぐれ写真館】 梅に雪・・・ 2015.01.30

書評本 『女の駅~駅を彩るスクリーンの女神たち』ほか

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HTB北海道テレビでのコメンテーターの仕事で、毎月、札幌に飛んでいます。

新千歳空港からはJR快速エアポートで札幌駅へ。

改札を出ると、コンコースに設置された大きな時計を見て、時間を確認します。

この時計も、そして駅の南口外壁に掲げられた『星の大時計』も、五十嵐威暢(いがらし・たけのぶ)さんのデザインです。

さらに駅の地下広場には、同じく五十嵐さんのテラコッタ彫刻『テルミヌスの森』が設置されています。



また駅を出ると、そこには流政之(ながれ・まさゆき)さんの彫刻『テルミヌス像』も。

ちなみに、ターミナル(駅)の語源が「テルミヌス神」なんですね。

他にも、何人ものアーティストの作品が置かれているのが札幌駅であり、こうした、いわば「アートの駅」を作ったのが臼井幸彦さんです。

そんな臼井さんは映画評論家としても素晴らしい仕事をしていらっしゃいますが、ちょうど新刊が出たので書かせていただきました。


『女の駅~駅を彩るスクリーンの女神たち』
臼井幸彦
柏艪舎

著者は元JR北海道常務で現在は多摩美大客員教授だ。映画に造詣が深く、特に駅が登場する作品を語らせたら右に出る者はいない。本書では80人の女優の肖像を、駅の風景と共に描いている。読後、映画を見直すも良し、縁の駅を訪ねるのも良し。

『黒幕~巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」』  
伊藤博敏
小学館 

情報誌『現代産業情報』の発行人、石原俊介が亡くなったのは13年5月のこと。「陰の情報フィクサー」と呼ぶにふさわしい人脈と影響力は政・財・官・報・暴の全てに及んでいた。その力はいかにして得られたのか。最後の情報職人を描く力作ノンフィクションだ。

『とまっていた時計がまたうごきはじめた』
細野晴臣・鈴木惣一朗
平凡社 

『細野晴臣 分福茶釜』から4年。音楽舎弟である最良の聞き手を得てのインタビュー・ドキュメント最新刊だ。東日本大震災から政権交代までを体験しつつ、細野は音楽、世相、原発、老化や仲間の死などをどう見てきたのか。究極のご隠居がここにいる。

(週刊新潮 2015.01.29号)

1日(日)の「TBSレビュー」で、“健康・医療番組”について解説

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司会の木村郁美アナウンサーと

2015年2月1日(日) 
午前5時30~6時
「TBSレビュー」

知りたいに応える
健康・医療番組が支持される理由

<番組内容>

テレビ各局、健康・医療情報番組が盛況だ。
医師が解説するだけではなく
タレントを進行役やゲストに
バラエティ色を盛り込みながら
視聴者の関心を引くように工夫している。

そうしたなか、「駆け込みドクター」は
毎回、身近なテーマを設定し
芸人の体験ルポなども交えながら
専門医が分かりやすく解説していく。

さらに医師たちに、
テレビの健康・医療番組が及ぼす
診療への影響度を調査したところ
実に9割があると答えている。
テレビの医療情報とは想像以上に
波及力があるようだ。

なぜ健康情報番組が流行るのか。
健康・医療情報を扱う場合には
どのような視点や真摯さが必要なのか。

番組では、
「駆け込みドクター」や
医師への影響度調査等を例に
テレビにおける健康・医療番組の
あり方について考えたい。

北海道新聞で、NHK朝ドラ「マッサン」について解説

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「マッサン」放送残り2カ月、見たいウイスキー作り 
余市編、力を入れてほしい点は? 識者2人に聞く
ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝と妻リタをモデルとしたNHK連続テレビ小説「マッサン」が昨年9月29日に始まって4カ月。今月19日の放送回から、ようやく舞台が創業の地・後志管内余市町に移った。

ドラマの中で余市工場は完成したが、肝心のウイスキーはまだ造られず、やきもきする視聴者も多いのでは。最終回まで残り2カ月。番組をよく見ている識者2人に、今後の放送で力を入れてほしい点を挙げてもらった。

玉山鉄二が演じる主人公のマッサンこと亀山政春。男性の主人公は、歴代の連続テレビ小説の中では珍しい。

本紙芸能面に「放送時評」を寄せている上智大文学部新聞学科の碓井広義教授は、「国産ウイスキーの父」の一代記として、同局が以前放送していた起業や商品開発などの苦闘を描く番組「プロジェクトX」のような要素を期待したという。

「話のテンポがちょっと遅いですね。その割に、余市の工場完成は『1年後』とテロップを入れるだけ。建設の苦労話など、描いてほしい部分が省かれている。目下の放送では工場でリンゴ汁を作っていますが、早くウイスキー造りが見たい」と残念がる。

■親子の物語 裏テーマ

一方、亀山が大阪で勤めていた会社の鴨居欣次郎社長(堤真一)、余市で世話になるニシン漁親方の森野熊虎(風間杜夫)がそれぞれ、息子との間に抱えた確執のエピソードが繰り返し登場した。

札幌在住のエッセイスト北大路公子さんは「物語がエリー自身と実母の確執で始まり、今は養女のエマとの関係も出てきました。親子の話が裏のテーマにあるのでは」とみる。

マッサンの妻エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)は献身的に夫を支え、重要な局面で解決策を打ち出すこともしばしば。「夫婦2人で1人の主人公って感じですね」と北大路さん。

その分、マッサン自身の影がやや薄い。「マッサンはエリーへの愛情表現を惜しまない。人前でも寄り添い、優しく言葉をかける。それによってマッサンの強さを表現しているのかも」と北大路さん。

碓井教授は「あの時代に単身スコットランドに渡り、(外国人の)奥さんをもらって帰国し、起業した。本来もっと破天荒で明るいキャラクターでは。目の前の出来事に右往左往し過ぎで、鴨居社長や、エリーを支えた親友のキャサリン(濱田マリ)ら大阪の強烈な面々に比べて“水割り”のよう。原酒のような濃い描写を」と要望する。

■美しい北海道映して

今後は、「ご当地ドラマ」として道内での注目度がさらに高まりそう。熊虎のニシン御殿内など室内劇のような場面が多いだけに、「ウイスキー造りの新天地として、毎回1カットでもいいから美しい北の大地を映してほしい」と碓井教授。

また、北大路さんは方言について、「北の田舎っぽい感じの言葉でお茶を濁す“イメージの北海道弁”の印象」と指摘。同じ家族の間でもレベルが違う点を気にしながら、「風間杜夫さんが言った『やっぱりお茶はお姉さんでないとね』のアクセントは、笑えるくらい完璧でした」と評価し、今後の頑張りに期待した。(渡部淳)

(北海道新聞 2015.01.31)

【気まぐれ写真館】 1月最後のキャンパス 2015.01.31

2日早朝、「TBSレビュー」再放送

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司会の木村郁美アナウンサーと

1日(日)朝、放送中の「TBSレビュー」が、番組の途中でイスラム国人質事件の速報が入ったため、中断の形になりました。

2日(月)、以下のように再放送されます。

2015年2月2日(月) 
午前4時30~5時
「TBSレビュー」

知りたいに応える
健康・医療番組が支持される理由

T-SITEで、今期ドラマの「ダメ男」&「東大卒」について解説

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1月ドラマの意外なキーワード 
「東大卒」に「ダメ男」
今年1月からスタートしたテレビドラマは現在、第3話から第4話に入っている。今期のドラマには、共通する2つのキーワードがある。

「ダメ男」と「東大卒」だ。

ヒロインを際立たせる「ダメ男」

「ダメ男」は、次の各ドラマに共通している。

『残念な夫。』(フジテレビ系、毎週水曜22時~)
『○○妻』(日本テレビ系、毎週水曜22時~)
『デート~恋とはどんなものかしら~』(フジテレビ系、毎週月曜21時~)
『問題のあるレストラン』(フジテレビ系、毎週木曜22時~)
『流星ワゴン』(TBS系、毎週日曜21時~)。

たとえば『残念な夫。』では、自分は育児に非協力的なのに「夫としては80点」と自信を持つ、文字通り残念な夫が描かれている。勘違いで情けないダメ男を演じているのが、イケメンの玉木宏というのもおもしろい。

『○○妻』でニュースキャスター役の東山紀之は、完璧な妻(柴咲コウ)がいないと服のコーディネートがダメなばかりか、ハンコの位置すらわからない。仕事一筋だから、ま、いいか…。

35歳になってもニートで、一度も働いた経験がないくせに自分を「高等遊民」と言い張るダメ男(長谷川博己)が登場するのは『デート』。

一方、セクハラやパワハラをしても何がいけないのか気づかず、自分のことしか考えない男を描く『問題のあるレストラン』は、社会問題を追及するような秀作だ。

これら“ダメな男”が、なぜ今期多く登場しているのか。上智大学文学部の碓井広義教授(メディア論)は、こう分析する。

「いま女性が元気な時代で、それを象徴しているのだと思います。言ってみれば、ヒロインを際立たせる役割を担っている。ダメ男をも飲み込んでしまう女性の元気さが、より強調されているのでしょう」

女性の方が充足していなくて、ある意味、野心があるということなのだろうか。

明確なキャラ設定ができる「東大」

もう一つのキーワードは「東大卒」。

『銭の戦争』(フジテレビ系、毎週火曜22時~)で、主演の草なぎ剛が演じる富生は東大卒の元エリート証券マンという設定。原作は韓国の漫画だ。

二階堂ふみが『問題のあるレストラン』で演じる新田もまた東大卒だし、生田斗真と小栗旬の共演で話題を呼んでいる『ウロボロス~この愛こそ、正義。』(TBS系、毎週金曜22時~)で、女性刑事・日比野(上野樹里)もまた東大卒だ。

初回視聴率14.8%と好調な滑り出しを見せた『デート』で、杏が演じる依子はなんと東大大学院を卒業後、内閣府の研究所で働く国家公務員である。そのエリートが、初対面の男性に勃起力や性的な嗜好を聞くなど、斬新なドラマになっている。

やはり東大出身者は、勉強はできるがやや変わり者なのか?

「明確なキャラクター設定がされている、ということでしょう。勉学はできるけれども、どこか変で少し浮いている奴。それを説明なしにドラマに組み込んでいけるのです。いわば、記号としての東大卒でしょうね。実際の東大卒は千差万別なんですが」(前出・碓井教授)

登場人物のバックグラウンドが「東大卒」というだけで、ある程度認識できるようなキャラ設定ということなのだ。

今クールのドラマは「ダメ男」と「東大卒」をチェックしながら今後の展開を見守っていくと、新たな発見があるかもしれない。(文:青柳雄介)

(T-SITE 2015.02.01)

各局「有力制作チーム」による新作ドラマ3本

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北海道新聞に連載している「碓井広義の放送時評」。

今回は、1月に始まった連続ドラマについて書いています。


有力制作陣の新作ドラマ
「夫婦とは」問う異色作
1月から新たな連続ドラマが始まっている。注目したいのは、これまで確かな実績を残してきた制作チームによる新作3本だ。


1本目は真木よう子主演「問題のあるレストラン」(フジテレビ系)。真木、脚本の坂元裕二、そしてスタッフは「最高の離婚」のチームである。真木の勤務先は飲食会社だ。高校時代の友人で同僚でもある女性が、あまりにひどいセクハラを受ける。怒って大暴れした真木はクビになってしまう。

「いい仕事がしたい」と思うのは男性も女性も同じだが、まだまだ男性中心の会社は多い。女性たちはパワハラやセクハラに耐えながら働いている。

だが、人としての尊厳まで踏みにじられては黙っていられない。真木は仲間を集め、会社が経営する店の近くでレストランを開くという反撃に出た。シリアスとユーモアのバランスが絶妙な、働く女性への応援ドラマである。


次は、「家政婦のミタ」の脚本家・遊川和彦とスタッフが再結集した「○○妻」(日本テレビ系)。ニュースキャスターである東山紀之の妻・柴咲コウは夫を支えることにかけては完璧だ。ところが2人は正式な夫婦ではない。柴咲は「契約妻」なのだ。

なぜ契約なのか。「家政婦のミタ」同様、ヒロインの秘密が徐々に明かされるプロセスがスリリングだ。

しかし、それ以上に興味深いのは、契約妻という設定を通じて「夫婦とは何か」を問いかけていることだろう。遊川の脚本、柴咲と東山の好演に支えられて、異色の社会派ドラマとなっている。


有力制作チームの新作、3本目は「流星ワゴン」(TBS系)だ。脚本の八津弘幸とスタッフは「半沢直樹」のメンバー。そこに西島秀俊と香川照之という「ダブルフェイス」「MOZU」のコンビが加わった。

会社はリストラ、息子は家庭内暴力、妻からは離婚届と最低の状況にあった西島は、ふと乗り込んだ不思議なワゴン車で過去へと向かう。人生の分岐点に立ち戻り、修正しようというのだ。

しかも同伴者は若き日の父・香川。西島は誤解していた過去の事実や、後に長年の確執が続く父の意外な側面を知ることになる。同時に、息子の気持ちを分かっていなかった自分にも気づいていく。このドラマは、“こじれた”親子の再生物語なのだ。

西島と香川が向き合う場面は、やはり迫力がある。特に香川が演じる“昭和のオヤジ”は出色の出来だ。SF的な設定に抵抗があると言う人も、一見の価値は十分にある。

(北海道新聞 2015年02月02日)

最新除菌トイレに嘆く、“菌の親子”が面白カワイイ!?

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日経MJ(流通新聞)に連載している「CM裏表」。

今回は、TOTOの新しい温水洗浄トイレのCMについて書きました。


TOTO 『ネオレスト 菌の親子編』
菌の親子も嘆く
温水洗浄トイレ
ネット社会を痛烈に批判した『ネット・バカ』の著者ニコラス・G・カー。

その新作が『オートメーション・バカ』だ。飛行機から医療まで、社会のあらゆる部分が「自動化」された現在、利便性に慣れるあまり、それなしではいられない事態に陥っていないかと警告する。

カーの言い分も分かるが、こと温水洗浄トイレに関しては譲れない。悩める人々に福音をもたらした世紀の発明品だと思っている。

1982年に登場した、戸川純さんの「おしりだって、洗ってほしい。」というCMも衝撃的だった。コピーは巨匠・仲畑貴志さんだ。

その後も進化を続け、新製品では見えない汚れや菌を分解・除菌し、その発生さえ抑制するという。これではトイレに生息する“菌の親子”、ビッグベンとリトルベンもたまったものではない。

除菌水の威力を見た息子菌(寺田心くん)が言う、「悲しくなるほど清潔だね」のせりふが泣けてくる。ごめんね、リトルベン。

(日経MJ 2015.02.02)

【気まぐれ写真館】 ただいま、入試中 (四谷駅前)

「○○妻」は、「夫婦とは何か」を問いかける異色の社会派ドラマ

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、「○○妻」(日本テレビ系)について書きました。


日本テレビ系「○○妻」
「夫婦とは何か」「結婚とは何か」を問いかける
異色の社会派ドラマ
「家政婦のミタ」の脚本家・遊川和彦とスタッフが再結集したドラマ「○○妻」(日本テレビ系)。先週までの平均視聴率は14%を超え、「DOCTORS3」(テレビ朝日系)との首位争いを展開している。

ニュースキャスターである東山紀之の妻・柴咲コウは、夫を支えることにかけては完璧だ。家事全般はもちろん、服装のコーディネートから番組の感想まで手を抜かない。誰よりも尊敬する夫に尽くしたいからだ。

ところが、2人は正式な夫婦ではない。柴咲は「契約妻」なのだ。東山は普通の結婚を希望しているが、柴咲は断固拒否する。なぜ契約なのか。「家政婦のミタ」同様、ヒロインの秘密が徐々に明らかになっていくプロセスがスリリングだ。

しかし、それ以上に興味深いのは、契約妻という設定を通じて「夫婦とは何か」「結婚とは何か」を問いかけていることだ。遊川の脚本、連ドラ初主演の柴咲と華のある東山の好演に支えられて、異色の社会派ドラマと呼べる1本になっている。

それにしても人を食ったタイトルだ。美人妻とか昼顔妻とかを連想させながら、フタを開けてみれば「契約妻」だった。とはいえ、あえて「○○妻」としたのは、契約だけではない妻の“実相”がまだ隠れているからだろう。極悪妻ってことはないはずだが、勝手に当てはめてみるのも面白い。

(日刊ゲンダイ 2015.02.04)

【気まぐれ写真館】 ただいま連日、入試中 (雨のキャンパス)

サンデー毎日で、坂本九「スキヤキ・ソング」について解説

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発売中の「サンデー毎日」最新号に、「一億人の戦後史」というシリーズが掲載されています。

今週は「昭和30年代編」。

この中の、坂本九さんに関する記事で解説しています。

記事タイトル:
上を向いて歩いていたら大当たり
坂本九「スキヤキ・ソング」

・「モダンなアメリカン・スタイルで歌っている」というのが、アメリカのレコード専門誌「キャッシュ・ボックス」編集長による坂本九評。

・1963年(昭和38年)のアメリカで、坂本九さんの「上を向いて歩こう」が「スキヤキ・ソング」として大ヒットした。

・外国語で歌われた外国の歌が、アメリカでナンバーワンになったのは初のことだった。


なぜアメリカでこれほどのヒットとなったのか。上智大文学部の碓井広義教授(メディア論)が語る。

「64年の東京五輪へ向けて、世界の目が日本に注目し始めていたことが大きいでしょう。高度経済成長期の日本の勢いと、その背景にある歪(ひず)みが少しずつ現れていた当時。時代の応援歌として私たちの背中を押してくれるような歌でした」


・その後もヒットを続けた九ちゃん。

・当時の「サンデー毎日」にも登場し、ニキビが魅力だというファンの声を伝えている。

・1985年(昭和60年)、大阪へ向かう日航機事故に遭遇し死去。43歳の若さだった。存命であれば、いま74歳のはずだった。

(サンデー毎日 2015.02.15号)

今週の「金曜オトナイト」は、ラサール石井さんと・・・・

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BSジャパン
「大竹まことの金曜オトナイト」

2015年2月6日(金)
夜11時30分~深夜0時00分

【ゲスト】ラサール石井



<出演者>
レギュラー:大竹まこと、山口もえ、碓井広義(上智大学教授)
進行:繁田美貴(テレビ東京アナウンサー)
ゲスト:ラサール石井

<番組内容>
◆流出ワイド◆
(秘)ラサール石井59歳、80歳までのローンを組む
(秘)10年後には認知症が700万人
(秘)仰天!線を引くだけで「2桁かけ算」の答えが分かるインド式算数
(秘)納得いかない世の中の風潮

◆文化情報コーナー◆
ラサール石井オススメ映画
男性不信の母娘と同居人のハートフル・コメディ

漱石『心』&書評本『芸能人の帽子』ほか

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このところ、なぜか漱石がマイブームとなっています。

わけもなく、モーレツに読み返したい(笑)。

年齢的なこともあるのかもしれません。

主だった作品を連続して読んでから、気がつけば数十年が過ぎています。

今年、日常の中で時間を作って、少しずつ読んでみようと思っています。

もちろん、「吾輩は猫である」から始めてもいいのですが、祖父江慎さんがブックデザインを手がけた「心」からスタートしました。

この本、手にとった時の感触がとてもいいのです。

特にページというか、紙の手触り。

というわけで、1年がかりの、ゆっくり漱石再読ツアーです。




今週の書評本は以下の通りです。

『芸能人の帽子~アナログTV時代のタレントと芸能記事』
 中山千夏 
 講談社

天才子役として登場し、人気女優として、また参議院議員としても活躍した著者。自分について書かれた当時の芸能記事を読みながら、その軌跡を振り返るという一風変わった回想記だ。芸能界の内側と社会の動きをリンクさせながらの検証は貴重な現代文化史でもある。


『ある昭和の家族~「火宅の人」の母と妹たち』
 笠 耐 
 岩波書店

物理教育者である著者は、壇一雄の父親違いの妹だ。明治生まれの母トミは3度の結婚を経験しているが、一雄はこの生母を終生大切にした。本書で回想されるのは、世間から見れば一風変わった大家族の人間模様。日常的に接した者にしか描けない作家の素顔がある。


『時代を刻んだ貌~田沼武能写真集』  
 田沼武能 
 クレヴィス

今年86歳になる著者が65年間に撮った肖像の集大成。火鉢の前に端坐する永井荷風。書棚を背にした若き三島由紀夫。カメラの傍らに立つ黒澤明。他に歌舞伎役者、落語家など240名に及ぶ昭和の顔が並ぶ。巻末の取材ノートも当時の彼らを浮かび上がらせて貴重だ。

(週刊新潮 2015.02.05号)

【気まぐれ写真館】 この週末も、入試中

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