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Channel: 碓井広義ブログ
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2015年冬 ひと味違う「注目CM」はこれだ!

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テレビ番組もそうですが、CMは時代を映す鏡です。その時どきの世相、流行、社会現象、そして人間模様までをどこかに反映させています。 この冬、流されているCMの中から、注目作を選んでみました。


●中外製薬 「風で吹きこまれるいのち」篇

不思議なものを目にした時、人は瞬時にして過去の体験を振り返り、記憶のデータベースを検索し、類似した何かを探そうとする。このCMを見た人の多くもそうするはずだ。しかし、残念ながら結果は芳しくない。何物にも似ていないからだ。

組み上げられた無数のプラスチック・チューブが、まるで動物の骨格のように動き、砂浜を歩行する。しかも船の帆のような白い布が横に広がっている。そう、この“生きもの”の動力は風なのだ。動いては止まり、止まっては動く予測不能なテンポは、風の吹くままを体現したもの。まさに“風で吹きこまれるいのち”だ。

「新しい世界は、見たこともない創造から始まる。」というコピーにふさわしく、見る者のイマジネーションを強烈に刺激するこの作品。タイトルは「砂浜の生物」を意味する「ストランドビースト」で、作者はオランダの芸術家、テオ・ヤンセンである。風がやみ、一瞬立ち止まったビーストが見る夢は、果たして、未来か、それとも過去か。


●ペプシ 「桃太郎Episode.2」篇

ペプシネックスゼロのCM「桃太郎エピソード・ゼロ」篇は衝撃的だった。いきなり現れた「巨大な鬼の一族」。島の住民をおびやかす彼らの全身は赤黒く焼けただれ、ぶすぶすと煙を立ち上らせていた。なぜ侵略するのかも不明であり、その存在自体が実に怖かった。

立ち向かうのは小栗旬さんが演じる桃太郎だ。伝説にのっとり、犬、サル、キジなどの仲間を集めて鬼が島へと向かう。いずれの動物も人間の姿をしており、それぞれに得意技を持っている。

今回の「エピソード2」で描かれるのは、犬が背負っている過去だ。狼に育てられた人間の赤ん坊だった彼。だが、成長した時、母親狼は鬼に殺されてしまう。青年は母の形見を身に着け、自らを「犬」と名乗って復讐を誓った。

想像力をかき立てるストーリー。スタイリッシュな映像。ハリウッド並みの精緻なVFX。長編映画の一部を見ているような贅沢感が広がっていく。この冬も、「その先が見たくなる」CMの代表格だ。


●TOTO 「ネオレスト 菌の親子」篇

ネット社会を痛烈に批判した『ネット・バカ』の著者ニコラス・G・カー。その新作が『オートメーション・バカ』だ。飛行機から医療まで、社会のあらゆる部分が「自動化」された現在、利便性に慣れるあまり、それなしではいられない事態に陥っていないかと警告する。

カーの言い分も分かるが、こと温水洗浄トイレに関しては譲れない。悩める人々に福音をもたらした世紀の発明品だと思っている。1982年に登場した、戸川純さんの「おしりだって、洗ってほしい。」というCMも衝撃的だった。コピーは巨匠・仲畑貴志さんだ。

その後も進化を続け、新製品では見えない汚れや菌を分解・除菌し、その発生さえ抑制するという。これではトイレに生息する“菌の親子”、ビッグベンとリトルベンもたまったものではない。

除菌水の威力を見た息子菌(寺田心くん)が言う、「悲しくなるほど清潔だね」のせりふが泣けてくる。ごめんね、リトルベン。


【気まぐれ写真館】 今年の入試、終わる

何やらスゴイぞ、5分30秒の「エヴァ無号機」

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「evangelion:Another Impact(Confidential)」
<スタッフ>
原作 庵野秀明
脚本・絵コンテ・監督 荒牧伸志
Another Eva デザイン 竹内 敦志
CG ディレクター 松本 勝
声ノ出演 山寺宏一 
       林原めぐみ
制作 SOLA DIGITAL ARTS
    スティーブンスティーブン

<あらすじ>
別の場所、別の時、
決戦兵器 の起動実験が行われていた。

秘密裏に開発と実験が進められていた「Another No.=無号機」は、
ヒトの制御を受け付けず、突如暴走を始める──。

『Another No. = 無号機』は、何のために作られたのか?

「別」の世界で起動したエヴァの、暴走と咆哮の物語……。


http://animatorexpo.com/evangelionanotherimpact

松岡茉優の“屈折女子”が冴える、NHK「限界集落株式会社」

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、NHK土曜ドラマ「限界集落株式会社」について書きました。


地域活性という地味なテーマが
堂々のエンターテインメントに昇華
過疎と高齢化が進み、社会的な共同生活を維持することが困難になった地域。それが「限界集落」だ。何て秀逸な、そして悲しい呼称だろう。

NHK土曜ドラマ「限界集落株式会社」の舞台である「止村(とどめむら)」も、まさに限界ギリギリの状態だ。農家の老人たちの、ある者は病に倒れ、またある者は村を去っていく。

そんな村に帰ってきたのが大内正登(反町隆史)。かつて有機農業の夢に破れ東京へと逃げた正登だが、母親(長山藍子)や娘の美穂(松岡茉優)と共に、再び農業にトライしようというのだ。

もう一人、突然この村に現れたのが経営コンサルタントの多岐川優(谷原章介)だ。村人たちに向かって「農業はやり方次第で儲かる」と説き、さまざまなアイデアで実践してみせる。

原作である黒野伸一の同名小説では多岐川が主人公だが、ドラマでは正登を主軸としている。両者をつなぐのが美穂だ。この3人の個性と配置のバランスが功を奏して、地域活性という地味なテーマが堂々のエンターテインメントになっている。

出演者の中では、「あまちゃん」で注目された松岡茉優がハマリ役だ。フジテレビで放送中の「問題のあるレストラン」といい、このドラマといい、こんなにも“屈折女子”が似合う若手女優はいない。

限界集落のジャンヌ・ダルクとなるか。

(日刊ゲンダイ 2015.02.10)

週刊新潮で、「イスラム国」制作の映像について解説

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すべてメディア戦略
(中略)

上に並んだ数々も「アル=ハヤート」が制作した映像である。

右上の爆破シーンには“天国への入口”、すぐ下の戦地に向かう映像は“レッツ・ゴー・フォー・ジハード”と英語でテロップが加えられている。まさにプロモーションビデオである。

「彼らの目的は、プロパガンダ。残虐性を誇示することではなく、自分たちの情報を世界中に拡散することが狙いですから、視聴者が見入ってしまうインパクトが必要なのです」 とは上智大学の碓井広義教授(メディア論)である。

その戦略は、後藤健二さんを殺害した映像にまで見て取れるという。

「彼らが人質を殺害する映像の多くは、首にナイフを突き立てるところで画面が暗転します。首を切断するところをあえて見せないことで、視聴者に頭の中で想像させ、より深い印象を与えるという映画やドラマの手法です。

また暗転は、舞台でよく使われる演劇的な演出でもあります。その後、実際に遺体を見せることで、イスラム国の有言実行のメッセージを植え付けることが出来るのです」(同)  

一方、「アル=ハヤート」の映像はテロップの切り替えも凄まじく速い。中央の映像など画面も文字も分割され、一見何を訴えたいのかわからないほど。

「サブリミナル効果を狙っているふしがある。気になるから何度も見るうち、意味のあるフラッシュを見つけることも」(同)  

巧みな映像戦略の効果か、3万人ともいわれるイスラム国戦闘員のうち1万5000人以上が外国人戦闘員であり、その中には日本人も含まれるのだ。その詳細は22頁からの特集で。

(週刊新潮 2015.02.15号)

書評本:『松田聖子と中森明菜  一九八〇年代の革命』ほか

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アイドル史を辿ってみると、山口百恵と入れ替わるようにして登場してきた松田聖子は、やはりエポックな存在です。

また、太陽と月というわけではありませんが、松田聖子とは異なるタイプの中森明菜が、“聖子ちゃん”を追うようにして現れたことも80年代の奇跡かもしれません。

というわけで、文庫の書評は『松田聖子と中森明菜』を取り上げました。



『松田聖子と中森明菜 [増補版] 一九八〇年代の革命』
 中川右介 
 朝日文庫 972円

アイドルについて書かれた本の中で出色の一冊だ。昨年末の「紅白歌合戦」でも注目された聖子と明菜。この2人を、アイドルとしての「生き方」ではなく、歴史としての「軌跡」と「作品」で論じている。

登場した時から、聖子は自己プロデュース能力の高さで際立っていたと著者は言う。アイドルを演じる過程そのものを提示する、新しいアイドルの誕生だった。

一方、どこか犯罪的・挑発的イメージを感じさせたのが明菜だ。抜群の歌唱力で独自の世界を表現してヒットを生むが、やがて自分の中で虚構と実人生のバランスを崩していく。表舞台から長く姿を消していた歌姫。その復活への道のりはまだ始まったばかりだ。


『少女のための秘密の聖書』
 鹿島田真希 
 新潮社 1728円

主人公の少女は母や義父との関係に倦み疲れている。そんな彼女に旧約聖書の世界を説くのは、性犯罪者と思われているお兄さんだ。アダムとエヴァ、カインとアベル、ノアの箱舟など、よく知られたエピソードがもつエロティックにしてグロテスクな実相が表出する。


『洋子さんの本棚』
 小川洋子・平松洋子 
 集英社 1620円

“ふたりのロッテ”ならぬ2人の洋子さん。エッセイストと小説家が本と人生を語り合う。ピアス『トムは真夜中の庭で』から内田百『冥途』までを入り口にして披露されるのは、女性ならではの体験と思索だ。巻末の「人生問答」も男性にとって貴重なヒント。


『オートメーション・バカ~先端技術がわたしたちにしていること』  
 ニコラス・G・カー:著、篠儀直子:訳
 青土社 2376円

ネット社会を痛烈に批判したベストセラー『ネット・バカ』。その著者の新作が本書だ。飛行機から医療まで、社会のあらゆる部分が先端技術によって「自動化」された現代社会。利便性に慣れるあまり、それなしではいられない事態に陥ってしまったと警告する。

(週刊新潮 2015.02.12号)

今週の「金曜オトナイト」は、伊集院光さんと・・・・

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BSジャパン
「大竹まことの金曜オトナイト」

2015年2月13日(金)
夜11時30分~深夜0時00分

【ゲスト】伊集院光




伊集院光さんも、一度お会いしてみたかった方の一人です。

ラジオ、めちゃくちゃ面白いし(笑)。

とにかく、あの頭の回転は尋常ではありません。

その秘密はどこにあるのか。

まあ、そう簡単には解明できませんが(笑)。

今週は、繁田アナから衝撃の“発表”もありますので、よろしくお願いします。


<出演者>
レギュラー:大竹まこと、山口もえ、碓井広義(上智大学教授)
進行:繁田美貴(テレビ東京アナウンサー)
ゲスト:伊集院光


今週の「もえちゃん」

【気まぐれ写真館】 義理と人情 2015.02.14


日本広報協会「映像セミナー」の開催

15日(日)の「サンデーモーニング」で・・・

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15日(日)のTBS「サンデーモーニング」に、インタビュー出演の予定です。

番組内の「風をよむ」のコーナー。

ネットというメディア、またネット社会について話をさせてもらいます。

番組は朝8時から9時54分の放送で、「風をよむ」は確か9時台ですね。

よかったら、ご覧ください。


< 2月15日 内容予定 >
▼ 「イスラム国」対策で米軍地上部隊投入?
▼変わる日本…ODAで他国軍への支援可能に
▼高浜原発も再稼働へ
▼スケート好調小平は
▼テニス錦織
▼風をよむ ほか

週刊新潮で、女優「広瀬すず」さんについて・・・

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発売中の「週刊新潮」最新号で、日本テレビ「学校のカイダン」主演の「広瀬すず」さんについてコメントしています。

ブレイクした女優「広瀬すず」
実家「看板屋」の苦境
記事のポイントとしては・・・

・昨年から今年にかけて「急ブレイク」の女優・広瀬すず(16)は、モデル兼女優の広瀬アリスの妹。

・デビューのきっかけは、姉が出ていたイベントを見に行ったこと。

・雑誌「セブンティーン」の専属モデルに。

・ロッテ、ソフトバンク、そして「ゼクシイ」のCMでの花嫁姿が話題となる。

・現在は、ドラマ「学校のカイダン」で初主演。

・静岡の実家は看板屋だが、4年ほど前に父親が倒れた。

・経営が悪化し、3年前に店は明け渡しとなった。

そのあと、記事は・・・・

父親が倒れ、看板屋の経営が苦しくなっていることを姉妹は何となく感じ取っていたのではないか。そして、そのことがまだ10代のすずの心に暗い影を落としたであろうことは想像に難くない。

上智大学の碓井広義教授(メディア論)の話。

「彼女の生い立ちや境遇は、よくある“原宿を歩いていたらスカウトされた”といったお決まりのストーリーよりもよっぽど好印象です。『学校のカイダン』を見る限り、度胸も据わっていますし、のびのびと演技をしていてあっぱれです」

早くも大器の片鱗をうかがわせる16歳なのである。

(週刊新潮 2015.02.19日梅見月増大号)


圧倒的な映像の力で迫る、映画『エクソダス:神と王』

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リドリー・スコット監督の『エクソダス:神と王』を見ました。

紀元前1300年。最強の王国として名をはせるエジプトの王家に養子として迎えられて育ったモーゼ(クリスチャン・ベイル)は、兄弟同然のような固い絆で結ばれていたはずのエジプト王ラムセス(ジョエル・エドガートン)とたもとを分かつ。その裏には、苦境に立たされている40万にも及ぶヘブライの人々を救わねばならないというモーゼの信念があった。そして、彼らのための新天地「約束の地」を探し求めることに。過酷な旅を続ける一方で、彼はエジプトを相手にした戦いを余儀なくされていく。


うーん、圧倒的な映像の力で、2時間半があっという間でした。

古代のエジプトも、そこに生きる人たちも、その存在感が半端ではない。

衣装も、日本映画にありがちなキレイなままでなく、使い込んだ、着古した感じがよくわかる。

モーゼとラムセス、それぞれの葛藤、そして両者の対立も納得。

戦闘シーン、また有名な「海が割れる」シーンも、凄まじい迫力だ。

「旧約聖書」の「出エジプト記」も、きちんと読んでみたくなる。

何より、モーゼという人物が興味深く、岩波新書の評伝選「モーセ」を開く。



“神と出会った男”モーセの生涯は120年とされているようだ。

映画を見なければ読まなかったはずの本に接するのも、また楽しい。

チャールトン・ヘストンが主演した『十戒』も、比較のために見直してみたい。


週刊ポストで、「マッサン」の今後についてコメント

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発売中の「週刊ポスト」最新号に、NHK朝ドラ「マッサン」の今後に関する記事が掲載されました。

この記事の中でコメントしています。

ネタバレになるというころで、「取扱注意!知りたくない人は絶対に読まないでください」の但し書きが。

そう言われると、逆に読みたくなりますよね(笑)。

記事全体は、ぜひ本誌をご覧ください。


「マッサン」究極ネタバレ
これから起きる7大事件
1 エリーを襲う「鬼畜米英いじめ」
2 エリーを特高警察に密告した人物
3 養女エマとマッサン夫婦が絶縁状態に?
4 一馬が悲劇の戦死
5 マッサンの後継者になるのは「あの赤ん坊」?
6 妻に捧げる酒は「スーパーエリー」
7 前半の人気キャラクターがサプライズ登場!?

・・・・私のコメントは、最後の「7」についてです。

毎朝チェックを欠かさない大の朝ドラファンで、上智大学教授(メディア論)の碓井広義氏が再登場を予想するのはこの人物。

「やはり前半の最重要人物だった鴨居欣次郎です。ストーリーではマッサンの上司でしたが、今度は対等な立場として両者の戦いをしっかり描いてくれることを期待しています」

どんなラストを迎えるのか。視聴者の予想を裏切るようなクライマックスに期待したい。

(週刊ポスト 2015.02.27号)

深田恭子「セカンド・ラブ」は、「富豪刑事」以来のハマリ役!?

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、テレビ朝日のドラマ「セカンド・ラブ」について書きました。


「セカンド・ラブ」(テレビ朝日系)
深キョン不沈のカギは
大石静の脚本次第
深田恭子は不思議な女優さんだ。確かに美人だし、往年のイタリア女優みたいな暴力的ボディも見事だ。ただし全体の雰囲気はおっとりしている。いわば“ふわふわ系”だ。だから合致する役柄を探すのが難しい。

最近の航空管制官(「TOKYOエアポート」)や弁護士(「女はそれを許さない」)のような、しっかり系やキビキビ系は全く似合わない。過去の主演ドラマで最も適役だったのは、2005年の「富豪刑事」(テレ朝系)だ。大富豪のお嬢様にして刑事という突飛な設定がピッタリだった。

あれから10年。32歳になった深田に再び好機が訪れた。それが「セカンド・ラブ」だ。このドラマでの深田は高校の化学教師。真面目ではあるが惰性で仕事を続けており、それは先輩教師(生瀬勝久)との不倫関係も同様だ。この“ぼんやり感”が深田にはよく似合う。

そんな深田が、年下のダンサー(亀梨和也、好演)との恋愛でどう変わるのか、どう墜ちていくのかが見所だ。遅い時間帯でもあり、深田の大胆なシーンに期待はするが、同じ枠での「特命係長 只野仁」みたいな描写は無理だろう。いや、ここで全てをさらさなくてもいい。画面に“オトナの女性”の官能を漂わせてくれれば十分だ。

まあ、それもこれも、「セカンド・バージン」の手だれ、大石静さんの脚本にかかっている。

(日刊ゲンダイ 2015.02.18)

スマホからネットへ「悪意の投稿」のこと

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東京新聞の夕刊1面に、気になる記事が掲載されていました。

つい先日、TBS「サンデーモーニング」のインタビューに答えて、ネットにおける匿名性の話をしたばかりです。

番組の中では、時間の都合もあり、使われていませんでしたが、収録時には、この「悪意の投稿」問題にも触れていたのです。

こうして調査の数字を示されてみて、ネット社会の現実として、あらためて考えていくべき課題なのだと再認識した次第です。


スマホからネットへ書き込み 
4人に1人 悪意の投稿
携帯端末のスマートフォン、タブレットを使い、インターネットを通じてブログやツイッターなどへ投稿した人の四人に一人が、他人や企業の悪口などの「悪意のある投稿」をした経験のあることが十七日、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のネット利用者の意識調査で分かった。

調査は昨年十月にネット上で匿名で実施。携帯端末の利用者三千五百人のうち投稿経験があるとしたのは千八百五十人。

「他人や企業の悪口」「下品な言葉を含む」「さげすんだり、けなしたり」「人格を否定」など、IPAが例示した十四種類の悪意のある投稿をしたことがあるとした人は、そのうちの26・9%に上り、前年から3・4ポイント増えた。

投稿理由(複数回答)では「反論したかった」「投稿やコメントを見て不快になった」「非難・批評するため」が30~20%台と多かった。「仕返しするため」は前年より5・4ポイント増えて13・2%、「炎上させたくて」は4ポイント増えて6・8%。

投稿後の心理では「気が済んだ、すっとした」が31・9%で最多。ほかは「何も感じない」(27・6%)、「後悔した」(13・6%)など。

年代別では、二十代の36・8%が最も多く、次は十代の30%。三十代以降は年齢が上がるにつれて減少した。

一方、パソコンでネット投稿した約千九百人のうち悪意のある投稿をしたのは22・2%で、前年より4・2ポイント減った。

IPAの花村憲一主任は「若年層に倫理意識の低下傾向が見られ、教育の必要性が高まっている。悪意のある投稿をした割合が携帯端末利用者で増え、パソコン利用者で減った理由は今後詳しく調べる」と話している。

◆安易な思いから深刻被害

インターネットへの悪意ある投稿は何度も社会問題化してきた。安易な気持ちでの投稿でも、拡散が繰り返され、取り返しのつかない被害がもたらされることもある。

「最初は一部のネットに依存している人がうわさを流しているだけと思ったが…」。過去、ネット上で身に覚えのない殺人事件の犯人と名指しされたお笑い芸人スマイリーキクチさん(43)は体験を語る。

一九九九年にネットの掲示板で書き込まれた根も葉もない話は拡散が続き、次第に「事実」のように扱われ、非難や糾弾が相次いだ。

「家族を襲撃する」との投稿も出るようになり警視庁に告訴。二〇〇九年、男女七人が名誉毀損(きそん)などの容疑で書類送検された。(全員不起訴)

「みんな普通の会社員らで驚いた。悪意ではなく正義感と思っていたようだが書かれる側にとってこれほど怖いことはなかった」

過去には著名人の被害が目立っていたが、最近は一般の人たちにも被害は拡大している。

青少年に正しいネット利用の在り方を語る活動をしているスマイリーキクチさんは、ツイッターのリツイート(転送)機能で誰でも簡単にうわさや中傷を拡散できる時代になっていることを挙げ「それも投稿者と同罪だという認識が必要だ」と指摘している。

(東京新聞 2015.02.17)


書評本: 山文彦 『宿命の子~笹川一族の神話』

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「週刊新潮」での書評。

今回、ノンフィクション部門の本として選んだのは、山文彦『宿命の子~笹川一族の神話』です。

山文彦
『宿命の子~笹川一族の神話』
小学館 2700円
ある年齢以上の人なら、往年の笹川良一の姿や声を思い浮かべることができるはずだ。テレビから「一日一善」を呼びかけ、「世界は一家、人類は皆兄弟」と説き、老いた母親を背負って石段を上っていた、奇妙なおじいさん。

その一方で、メディアが彼について報じる際の枕詞は、「A級戦犯容疑者」「競艇界のドン」「右翼の大立者」と強烈だった。

この評伝の主人公は笹川良一の三男で、公益財団法人・日本財団(旧日本船舶振興会)会長を務める笹川陽平である。現在76歳になる陽平だが、その人生の軌跡は良くも悪くも父の圧倒的な影響下にあった。陽平を描くことは、同時に笹川良一を描くことでもある。

本書は「日本の近現代史に大きな航跡を描いてきたひとりの傑物と、その人物によってこの世に生み落されたひとりの私生児が、どのように生きてきたか」を探る父子物語だ。

読み進めていくと、笹川良一に対するイメージが変わってくる。右翼の大物として政財界に食い込み、ギャンブルを利用して私腹を肥やし、慈善事業で名前を売った偽善家といった既成概念が、いかに現実と違っていたかが明らかになるからだ。

良一は権力の恐ろしさと欺瞞をよく知る男だった。戦後は民間の側にありつつ自身も大きな権力を持っていたが、常に弱者に寄り添った。

中でも、国や社会から虐げられてきたハンセン病者の人間的回復と、その病気の制圧に尽力したことは特筆に値するだろう。そこには良一の根底にある反権力性が色濃く見られる。

陽平は、結果として良一の後継者となった。しかもそれは事業だけでなく、笹川良一という一筋縄ではいかない人物を丸ごと背負うことでもある。なぜ陽平はそれを引き受け、全うすることが出来たのか。

宿命とは「この世に生まれる以前から定められた運命のこと」だと著者は言う。その重さに負けなかった男がひとり、ここにいる。

(週刊新潮 2015.02.19号)

今週の「金曜オトナイト」は、笑福亭笑瓶さんと・・・・

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BSジャパン
「大竹まことの金曜オトナイト」

2015年2月20日(金)
夜11時30分~深夜0時00分

【ゲスト】笑福亭笑瓶



<番組内容>
◆流出ワイド◆
(秘)何円なら堂々と「お金返して」と言える?
芸能界の知られざる金銭事情が明らかに!
(秘)「だてマスク」が流行する理由 保湿のために男性も!?

◆特捜!オトナイト最前線◆
オトナイト気になる人物図鑑
元伝説の暴走族の牧師。社会からはみだした青年たちに手を差し伸べる。

◆文化情報コーナー◆
ヒーローとは何か!
ダスティン・ホフマン主演『靴をなくした天使』

<出演者>
レギュラー:大竹まこと、山口もえ、碓井広義(上智大学教授)
進行:繁田美貴(テレビ東京アナウンサー)
ゲスト:笑福亭笑瓶



今週の「繁田美貴アナウンサー」

週刊新潮で、好調「日曜夜の日テレ」について解説

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「笑点」が火付け役で
「日テレ燃ゆ」
ホステスに清廉性があるとかないとかで世間の反感を買った日本テレビだけれど、視聴率への悪影響はなかった様子。「ゴールデン」「プライム」「全日」の世帯視聴率で首位となる“三冠王”を獲った昨年の勢いは衰えず、絶好調なのだ。

特に顕著だったのは、2月8日の日曜日。17時半からの「笑点」が231%、18時からの「真相報道 バンキシャ!」165%、19時「ザ!鉄腕!DASH!!」212%、19時58分「世界の果てまでイッテQ!」207%、21時「行列のできる法律相談所」204%・・・と高値を連発し、“バンキシャ”以外の20%超え番組は週間視聴率ランキングの2~5位を独占した。

「その“バンキシャ”にしても14位で、その週のフジテレビの最高記録だった『サザエさん』(164%)おり上です」(芸能記者)

この時はNHK「マッサン」が週間1位だったが、「週によっては“イッテQ”や“鉄腕~”がトップになりますから、朝ドラと張り合える布陣といえる」(同)

“日テレ強し”の理由を、上智大学の碓井広義教授(メディア論)はこう見る。

「本来はNHK大河がライバルとなる時間帯ですが、今期は『花燃ゆ』が奮わず、“敵失に助けられている”感もありますね。また“鉄腕~”以下の番組は世代を選ばない、日曜夜に一家揃って見られるラインナップであるのも強い。固定客が付いていますから、おそらく春の改編でも変更はせず、しばらくはこの状況が続くのではないでしょうか」

さて、他局の打開策は。

(週刊新潮 2015.02.26 号)

今週、テレビ朝日「グッド!モーニング」で・・・

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今週、19日のテレビ朝日「グッド!モーニング」に、インタビュー出演しました。

<内容概略>
就任から1年、数々の発言で物議をかもしてきたNHKの籾井勝人会長が民主党の会合で議員と激論になった。

籾井会長は経営計画のために民主党の会合に呼ばれたはずだったが、問われたのは理事全員に辞表を出させていた問題だった。籾井会長は「よくあること」と述べ、発言の撤回を求められたがしなかった。

さらに話題は歴史認識にも及んだ。2月5日の会見で籾井会長はいわゆる従軍慰安婦問題を放送するかについて「政府のスタンスが見えない、慎重に考えなければならない」と発言。

これを民主党に「政権よりだ」と批判されると「極めて大きな外交問題に発展するおそれもあるからよく考えて従軍慰安婦問題は扱っていかなければならないという認識」とした。民主党は今後も予算委員会などで追及するとしている。

会合後、言い争いとなった階猛議員は「なぜか激高されて最後にはくだらん、というような話しまでされるというのは想定しがたい異常な反応」とした。

一方政府の加藤勝信官房副長官は「籾井会長については良い放送番組を引き続き提供していただくことで期待している」と話した。

上智大学の碓井教授はNHKのあり方について、「国がやっていることも含め、何かしら課題や問題があるならばきちんと探求して伝える、多角的・多面的な意見を提示するのがNHKの役割」と述べた。

(2015.02.19「TVでた蔵(TV DATA ZOO)」より)

【気まぐれ写真館】 新宿方面遠望

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