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滝川で、アート展を見る 2015.07.25

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「BetweeN  帰山昌子―伊賀信 2人展」






帰山昌子さん


滝川市 ギャラリーCOYA 0125-22-2101
8月2日までの金・土・日曜日に開廊
主催:一般社団法人 風の美術館

【気まぐれ写真館】 富良野で、倉本聰先生と  2015.07.25

「桂米朝ドキュメンタリー」のこと

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ヤフー!ニュースでの連載、碓井広義の「わからないことだらけ」。

このブログにアップしていなかった分を、転載しておきます。


桂米朝のドキュメンタリーに、
「落語」の底ヂカラを見た
6月20日に放送された、NHK・ETV特集『洒落(しゃれ)が生命(いのち)~桂米朝 「上方落語」復活の軌跡~』が、「落語」の底ヂカラを示して、見ごたえがあった。

今年3月に、89歳で亡くなった桂米朝。上方落語だけでなく、落語という文化そのものを支え、発展させてきた功労者だ。この番組は、師匠の歩みを辿る人物ドキュメントであると同時に、上方落語への見事な案内状でもあった。

神主の息子に生まれがら、子供の頃からの落語好きだ。昭和20年に19歳で召集されるが、病気で入院する。傷病兵たちの前で語った一席で、「笑いだけでなく、生きる力を与える」落語の凄さを再認識するのだ。戦後、桂米團治に弟子入りしてからの活躍は言うまでもない。

また、番組を見ていて、師匠が続けてきた地道な取り組みに驚く。先輩の落語家たちを訪ね歩き、古い埋もれた噺を掘り起こしていったのだ。

たとえば「天狗さし」という一席がある。天狗を捕まえ、すき焼きならぬ「天狗すき」を作ろうという話だ。その中に登場する、「念仏ざし」という言葉の意味を探し続けるエピソードに、その人柄がよく表れていた。

番組で師匠について語る人たちも、大西信行、矢野誠一、筒井康隆、山折哲雄など、そうそうたる顔ぶれだ。

中でも矢野が語った、“東京進出”の回想は貴重だろう。師匠の大ネタ「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」に度肝を抜かれた、当時41歳の立川談志の姿が浮かんでくる。

噺の発掘だけでなく、新しい話芸を作ること、また後進を育てることにも努めた桂米朝。「落語は現世肯定の芸であります」の言葉が印象に残る、良質なドキュメンタリーだった。

再放送は、6月27日(土)よる0時(金曜深夜)から。見逃した大人たちに、オススメしたい。

(ヤフー!ニュース 碓井広義の「わからないことだらけ」2015.06.26)

映画「海街diary」のこと

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ヤフー!ニュースでの連載、碓井広義の「わからないことだらけ」。

このブログにアップしていなかった分を、転載しておきます。


“平成の小津映画”と呼びたい、
『海街diary』の心地よい時間
是枝裕和監督『海街diary』の公開から間もなく1ヶ月。未見の皆さんには、ぜひスクリーンでご覧になることをオススメしたい。

ドキュメンタリーの優れた作り手として注目されていた、テレビマンユニオンの是枝裕和ディレクターが、『幻の光』で映画監督デビューしたのは1995年のことだ。あれから20年。そのキャリアには、『ワンダフルライフ』や『誰も知らない』など評価の高い作品が並ぶが、この『海街diary』もまた是枝監督の代表作の一つになるだろう。

見終わって最初の感想は、「もっと見続けていたい」だった。何より、この姉妹たちの日常を、ずっと見ていたかった。物語としての1年という時間経過と共に、彼女たちの中で、静かに何かが変わっていく。その繊細な移り変わりに立ち会う幸福感が、終映後も尾を引いていたのだ。

三姉妹が、鎌倉にある古い家で暮している。しっかり者の長女・幸(綾瀬はるか)、縛られない性格の次女・佳乃(長澤まさみ)、のんびりした三女・千佳(夏帆)だ。父は15年前に家を出ていたし、母は再婚している。育ててくれた祖母もまた亡くなってしまった。

突然、父の訃報が届く。葬儀が行われた山形の小さな町で、3人は腹違いの妹・すず(広瀬すず)と出会う。病気になった父の世話をしてくれた、中学生のすず。実母は亡くなり、継母との関係はしっくりいっていない。三姉妹を「父が好きだった場所」に案内し、4人で風景を眺めるシーンが印象的だ。

駅での別れ際、幸が突然、「すずちゃん、鎌倉に来ない? 一緒に暮らさない? 4人で」と声をかける。このひと言で、物語が大きく動き出すのだ。是枝監督は、あるインタビューで「これは捨て子が捨て子を引き取る話だなと思った」と語っている。

捨て子とは強烈な言葉ではあるが、実際、姉妹たちは父にも母にも捨てられたことになる。鎌倉の古くて大きな家で暮らすのは”欠けた人のいる家族”、もしくは”不在者のいる家族”だったのだ。長女の幸は、年齢的なこともあり、不在の父や母へのわだかまりがかなり強い。だが、それもまた、すずを受け容れることで変わっていくのだ。

思えば、小津安二郎監督の映画でも、何度か“不在者のいる家族”が描かれてきた。『父ありき』や『晩春』は母親が、『秋日和』では父親が不在だった。不在、つまり失われていることが、そのまま不幸ではないと感じさせるという意味で、小津作品と本作は重なるのかもしれない。

また、この映画では、長い年月を経た家が、不在の父や母の代わりに娘たちを見守っている。帰る場所、ずっと居ていい場所としての家。懐かしさを感じさせるこの日本家屋は、そのまま小津作品に出てきても不思議ではない。

加えて、この映画における綾瀬はるかの佇まいが、小津作品で原節子が演じてきた女性たちを思わせる。凛とした美しさ。強さと優しさ。さらに、どこか自分を無理に律している切なさも、小津映画のヒロインに通じるものがある。本作に関してだけでも、是枝監督が”平成の小津安二郎”なら、綾瀬はるかは”平成の原節子”だ。

そしてもう一人、特筆すべきは広瀬すずだろう。「すず」という名前と役名が同じであることも、決して偶然ではないとさえ思わせる。それほど作中のすずのイメージは鮮やかだ。しかし、成長していく少女ほど儚(はかな)いものはない。いや、だからこそ、「今という時間」にしか映しこめない輝きがここにある。桜並木のトンネルを自転車で走り抜けていくシーンなど、長く記憶に残る名場面と言うしかない。

ふと思い出すのは、中原俊監督の『櫻の園』(1990年)だ。あの作品の原作もまた吉田秋生の漫画だった。桜、そして少女たち。両者に共通する美しさ、狂おしさ、そして儚さが、映画監督たちを強く惹き付けるのだろうか。

すでにドラマやCMでたくさんのスポットを浴びている広瀬だが、この映画への起用はそれ以前に決まったことだという。是枝監督の慧眼、恐るべし。彼女を発見したことで、この作品の制作を決意したのではないかと想像したくなるほど、その存在感は際立っている。

この映画には、驚愕の事件も、泣かせる難病も、気恥ずかしくなるような大恋愛も登場しない。しかし、不在者をも包み込みながら、自分たちの居場所で積み重ねていく日常の豊かさを、静かなるドラマとして描き切った秀作である。是枝監督と四姉妹に拍手を送りたい。

(ヤフー!ニュース 碓井広義の「わからないことだらけ」2015.07.08)

「バカリズム・ドラマ」のこと

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ビジネスジャーナルでの連載、碓井広義「ひとことでは言えない」。

このブログにアップしていなかった分を、転載しておきます。


バカリズム脚本のドラマが超面白いワケ 
 鋭い人間観察と苦笑いが生む絶妙なエピソード
 昨年の連続ドラマ『素敵な選TAXI(センタクシー)』(フジテレビ系)の脚本で、「第3回市川森一脚本賞」の奨励賞を受賞したお笑いタレントのバカリズム。

 6月23日には、バカリズムが脚本を手がけた単発ドラマ『かもしれない女優たち』(フジテレビ系)が放送された。

 今回は、この2本を振り返ることで「バカリズム・ドラマ」の魅力を探ってみたい。

■よくできた連作短編集 『素敵な選TAXI』

 昨年秋の放送時、いい意味で予想を裏切られた。「タイムスリップするタクシー? 脚本がバカリズム? 大丈夫なのか?」と思っていたが、ふたを開けてみると、いい具合に肩の力が抜けた癒やし系のSFドラマだった。

 なにかトラブルを抱えている人物が、偶然乗ったタクシー。それは、過去に戻れるタイムマシンだった。恋人へのプロポーズに失敗した売れない役者(安田顕)、駆け落ちする勇気がなかった過去を悔いる民宿の主人(仲村トオル)、不倫相手である社長と嫌な別れ方をした秘書(木村文乃)などが乗車する。

 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、タイムマシンの役割を果たすのは、ガルウイングドアの「デロリアン」だったが、同ドラマでは40年以上前のトヨタ「クラウン」のタクシーというのがうれしい。

 運転手は“お久しぶり感”のある竹野内豊だ。制服にひげといういでたちで乗客の話をじっくりと聞き、彼らを「人生の分岐点」まで戻してくれる不思議なおじさんを飄々と演じており、ちょっとした新境地だった。

 乗客は過去に戻って新たな選択をするが、必ずしも事がうまく運ぶわけではなく、もうひと波乱ある。バカリズムの脚本は、そのあたりのひねりがきいており、よくできた連作短編集のような掘り出し物の1本だった。

■後味のいいパラレルワールド 『かもしれない女優たち』

 『素敵な選TAXI』同様、この単発ドラマも「人生の岐路と選択」というテーマに挑んだ野心作だ。

 ヒロインは竹内結子、真木よう子、水川あさみの3人。女優として成功している彼女たちが、「あり得たかもしれない、もうひとつの人生」を競演で見せるところがミソである。

 例えば、現実の竹内は15歳で事務所にスカウトされたが、「もし、それを断っていたら」という設定でドラマが進む。大学を出て編集者になった竹内は、恋人との結婚を望みながら、なかなか実現できないでいる。

 また、女優志望の真木と水川は、アルバイトを続けながらオーディションを受けては落ちまくる日々だ。もうあきらめようかと思っていた頃、2人に思いがけない出来事が起きる。

 エキストラ扱いで、顔も映らない端役を務める現場。邦画を見るとみじめな気分になるからと、レンタルビデオ店で洋画ばかりを借りる日常。いきなり売れっ子になった新人女優への複雑な思い……。

 バカリズムの脚本は、下積み女優にとっての“芸能界のリアル”を、苦笑い満載のエピソードで丁寧に描いていく。

 3人の女優がそれぞれの軌跡と個性を生かした物語だからこそ、本人たちが演じる「あり得た自分」が絶妙にからみ合う。その結果、実に後味のいいパラレルワールドが成立していた。

 「バカリズム・ドラマ」の魅力は、ユーモアの中にある鋭い人間観察と、人に対する温かい眼差しだ。こうした単発ドラマもいいが、今後、バカリズムにはぜひ連続ドラマの新作を書いてほしい。

 なんといっても、脚本こそがドラマの核であり、設計図であり、その成否を決めるものだ。バカリズムという個性あふれる新たな書き手の登場を歓迎し、大いに期待したい。

(ビジネスジャーナル 碓井広義「ひとことでは言えない」2015.07.03)

「政府与党 報道威圧」のこと

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ビジネスジャーナルでの連載、碓井広義「ひとことでは言えない」。

このブログにアップしていなかった分を、転載しておきます。


報道威圧に屈するフジとテレ東
批判的報道は規制すべきという暴論

 6月25日に行われた自民党の有志議員による勉強会で、メディアに対する威圧的な発言が続出し、現在も大きな問題になっている。問題視されるのも当然で、発言内容には耳を疑うような言葉が並んでいた。以下がそれである。

 「反・安保(安全保障関連法案)を掲げ、国益を損ねるような一方的な報道がなされている」ので、「こらしめるには、広告料収入がなくなるのが一番」であり、「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」というのだ。

 これはつまり、政権に批判的な報道機関は広告主を通じて規制すべきだという、天下の暴論である。民放の足元を見たような“兵糧攻め”もどきの幼稚な発想にあきれてしまう。

報道威圧を、テレビはいかに伝えたか

 勉強会翌日の26日夜、テレビ各局はメインのニュース番組でこの件を報じたが、その内容や温度には明らかにばらつきがあった。

 『ニュースウオッチ9』(NHK)では、河野憲治キャスターが「報道の自由、表現の自由は、いうまでもなく民主主義の根幹。自民党の若手議員の発言や、とりわけ作家の百田尚樹氏による『沖縄の2つの新聞は潰さなければならない』という発言は、報道機関に所属する者として決して認められない」とカメラ目線で主張した。

 また、「メディアの是非は視聴者や読者が決めます。こうした発言をする政治家の是非は、選挙で有権者が決めます」と述べたのは、『NEWS ZERO』(日本テレビ系)の村尾信尚キャスターだ。

 『NEWS23』(TBS系)の膳場貴子キャスターは、「権力による報道規制にほかならないと思うのですが」と、コメンテーターに問いかけるかたちだった。

 『報道ステーション』(テレビ朝日系)の古舘伊知郎キャスターは、この問題を伝えた後で「こういう話をしているだけで、この番組もこらしめられるんですかね」と苦笑いした。さらに、「政権が気に入る意見とか、お気に召す報道をすることで、世の中が豊かになるとは思えない」と締めくくった。

各局の対応に表れた温度差

 驚いたのは、『あしたのニュース』(フジテレビ系)と『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)だ。ニュースとして取り上げてはいたが、VTRによる説明のみで、キャスターなどがスタジオでコメントすることはなかった。残念ながら、その腰の引け具合は当事者意識の欠如といわざるを得ない。

 今回、与党議員たちが行った問題発言の背景には、安倍晋三政権が強めている「メディアコントロール」がある。4月にも、自民党がNHKやテレビ朝日の経営幹部を呼びつけ、個別番組の問題について異例の事情聴取を行ったばかりだ。

 しかし、これまでも今後も、多様な情報を発信すると共に権力を監視し、問題点を指摘することはジャーナリズムの責務である。それをしないのは、メディアが自らの首を絞めるに等しい。

(ビジネスジャーナル 碓井広義「ひとことでは言えない」2015.07.14)

夏ドラマのダークホース、「民王(たみおう)」が面白い

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、テレビ朝日のドラマ「民王(たみおう)」について書きました。


テレビ朝日系「民王」
ワニ顔を千変万化させる遠藤と
“ダメ息子”菅田の怪演
猛暑に圧倒されたかのように、全体的に元気がない今期ドラマ。そんな中で思わぬ拾い物のような1本が、この「民王」である。話は何とも破天荒で、時の総理大臣・武藤泰山(遠藤憲一)と、そのバカ息子・翔(菅田将暉)の体が、突然入れ替わってしまうのだ。

2人は周囲に悟られないよう誤魔化しながら、回復を待とうとする。だが、泰山の姿形となった翔は秘書官が書いた答弁を棒読み。しかも、まともに漢字が読めないため、野党からも失笑を買う。一方、見た目は翔だが傲岸無礼なままの泰山も、就活で訪れた会社で面接官を罵倒し、説教までしてしまう。

“入れ替わり”という設定はこれまでにもあった。大林宣彦監督作品「転校生」の幼なじみ男女や、「さよなら私」(NHK)の親友同士のアラフォー女性などだ。しかし総理大臣父子は秀逸で、政治や権力をめぐるドタバタコメディでありながら、一種の風刺劇にもなっている。

また、遠藤憲一と菅田将暉のテンションの高さが尋常ではない。2人はさだまさしの自伝ドラマ「ちゃんぽん食べたか」(NHK)でも父子を演じているが、まるで別人だ。ワニ顔を千変万化させる遠藤はもちろん、奮闘するダメ息子を演じる菅田の怪演も一見の価値あり。同じ池井戸潤の原作だが、黙ってないのは花咲舞だけではない。

(日刊ゲンダイ 2015.07.28)

上智大学オープンキャンパスで、「体験授業」を行います

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昨年、受講生の皆さんと

今年もまた、7月30日(木)、31日(金)の両日、新聞学科の「体験授業」を担当することになりました。

高校生の皆さんに、テレビセンターのスタジオを使って行っている実習授業「テレビ制作」を、体験してもらおうという企画です。

おかげさまで毎年希望者が多く、30日(木)、31日(金)、それぞれ3回ずつ、計6回行いますが、すべて「定員制」をとっています。

当日、各回の30分前に配布する「整理券」が必要なので、受講希望の皆さんは、以下の大学サイトで確認の上、参加してください。

オープンキャンパス情報(四谷キャンパス):
http://www.sophia.ac.jp/jpn/admissions/gakubu_kanren/oc?kind=0


というわけで、高校生諸君と父母の皆さん、四谷キャンパスで会いましょう!


【気まぐれ写真館】 期末試験ウイーク、終了

【気まぐれ写真館】 オープンキャンパス「体験授業」初日 (1)

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1日に3回行った「体験授業」は、すべて満員御礼。感謝です。







【気まぐれ写真館】 オープンキャンパス「体験授業」初日 (2)

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新記録! 中学3年から「4年連続参加」の高校3年生です

夏ドラマ、杏のひとり勝ち!?

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発売中の「週刊朝日」最新号で、ドラマ「花咲舞が黙ってない」についてコメントしています。


「お言葉を返すようですが・・・」
杏 ひとり勝ち
話題作が伸び悩む中、“ひとり勝ち”状態で2桁視聴率をキープしているのが「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系・水曜22時)。池井戸潤氏の原作で、杏が主演。メガバンクを舞台に一般行員の花咲が、誰に対してもはっきりモノ申す爽快さが見どころだ。

「『お言葉を返すようですが……』という言葉をきっかけにたんかを切るのは、水戸黄門の印籠のようなもの。1話完結で見終わってすがすがしいというパターンは、安心です」(上智大学の碓井広義教授[メディア論])

 決めぜりふといえば、大ヒットドラマ「半沢直樹」の「倍返しだ!」は記憶に新しいが、今期は主演の武井咲が「てめぇ~、五寸釘ぶちこむぞ」とたんかを切る「エイジハラスメント」(テレビ朝日系・木曜21時)も、見逃せない。10年ぶりに内館牧子氏が連ドラの脚本を執筆したということで、放送前から期待度が高かった。お茶くみや過度なハラスメントに、“時代錯誤”という声があがるものの、TVコラムニストの桧山珠美氏はこう言う。

「ドロドロの女社会を描くのが得意な内館さんの脚本だけあって、『25歳すぎたら女じゃない』などセリフがエグくて楽しめる。『五寸釘~』という決めぜりふは、スカッとしますね」

 初回は9.7%と控えめな出だしになったが、3話目まで9%台をキープ。コアなファンがいるようだ。

「新人OLを軸に置いたことで、メイン視聴者の中高年をイタイ設定に描き、反感を買ってしまったため、視聴率が伸びなかったのではないか。開き直って、もっとコテコテのハラスメントで楽しませてほしいですね」(ドラマライターの田幸和歌子氏)

(週刊朝日 2015年8月7日号より抜粋)

【気まぐれ写真館】 オープンキャンパス「体験授業」2日目(1)

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気温35度!


「体験授業」整理券の行列。恐縮です。
































【気まぐれ写真館】 オープンキャンパス「体験授業」2日目(2)

【気まぐれ写真館】 オープンキャンパス「体験授業」2日目(3)

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最終回の受講生の皆さんと


碓井ゼミ「体験授業」サポートメンバー






週刊朝日で、ドラマ「僕らプレイボーイズ熟年探偵社」についてコメント

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 バラエティー豊かな作品の揃う今季夏ドラマ。若手主役が台頭する中、“中高年の中高年による中高年のためのドラマ”の代表格が高橋克実主演の「僕らプレイボーイズ熟年探偵社」(テレビ東京系・金曜19時58分)だ。決して高視聴率ではないが、脇を固めるのは石田純一、笹野高史、角野卓造、伊東四朗とベテラン陣がずらり。

 “テレ東のお家芸枠”と、上智大学の碓井広義教授(メディア論)は太鼓判を押す。

「前作の『三匹のおっさん』に続いて独自路線を貫き、中高年の期待を裏切らないテレビ東京はさすが。さえない風貌のおっさんたちが、経験と知恵をもって事件を解決していくさまは痛快ですね」

 沢村一樹やムロツヨシなど、今を時めく実力派キャストがそろったのは「ナポレオンの村」(TBS系・日曜21時)。破天荒なスーパー公務員を演じる主演の唐沢寿明が、消滅寸前の限界集落の再生のために尽力するという重いテーマだが、終始ポジティブなトーンだ。

「初回の冒頭で、東京五輪のメインスタジアムの建設話が出るなど、現実とリンクしていて、時代に忠実。閉塞感のある時代だけど、頑張ってみれば何か変わるかもしれないというような、淡い期待を抱かせてくれて、心が浄化されますね(笑)」(TVコラムニストの桧山珠美氏)

 さらに、数字は良くないものの「懐かしい」「感動した」と話題を呼んでいるのが「表参道高校合唱部!」(TBS系・金曜22時)。廃部寸前の合唱部を立て直し、歌の力で学校に奇跡を起こすさわやかな青春群像劇で、デビューわずか2年だが、千人のオーディションを勝ち抜いた芳根京子が主演に大抜擢された。

「知名度がある若手より企画重視のキャストを選んでいて立派です。魅力的な若手俳優の高杉真宙や森川葵、泉澤祐希らが同級生を演じ、一人ずつ仲間になっていくベタで爽やかな展開が夏ドラ向けです」

 とドラマライターの田幸和歌子氏も絶賛する。ただ、どんなに内容が良くても、視聴率が比例するかどうかは難しいところ。

「次世代のドラマ界を担う注目俳優らが出演しているので、数年後に豪華なキャストだったと“伝説化”するかもしれません」(TBS関係者)

(週刊朝日 2015年8月7日号より抜粋)

【気まぐれ写真館】 おめでとう! 2015.08.01

サンデー毎日で、夏ドラマ「恋仲」などについて解説

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発売中の「サンデー毎日」最新号に、夏ドラマに関する記事が掲載されました。

この記事の中で、解説しています。


「月9」 福士蒼汰でも歴代ワースト視聴率
夏ドラマ まさかの絶不調
真夏のドラマ関係者たちに、激震が走っている。

「あの2人の出演者でも15%取れるとは局内でも思われていませんでしたが、それにしてもここまでとは・・・」

そう嘆くのはフジテレビ局員。7月20日に放送された月9の「恋仲」が、初回視聴率9.8%と、“月9史上ワースト”となったのだ。

主演はイケメン俳優として人気絶頂の福士蒼汰、ヒロインは本田翼。「この夏一番あつくて切ない王道ラブストーリー」とうたうが、視聴者の反応はお寒いものだったよう。

上智大学の碓井広義教授(メディア論)は、こう指摘する。

「『あまちゃん』の福士君は良かったけれど、彼をいきなり月9の主役として扱ってよかったのか。本田翼もモデルとしてはいいのですが女優としての需要があるのか。まず、その辺の読み違いがあるのではないでしょうか」

演技に不安のあるキャストに加えて、ストーリーの弱さもあったという。

「非常に既視感のある物語と場面展開、セリフが続いて、これまであった恋愛ドラマのパロディに見えました。とても2015年夏の恋愛ドラマを見ている気にはなりません。あれが月9として渾身の一作だと言われると、今のフジがいろんなところでズレた感じを受けました」(碓井教授)

不調なのは、フジだけではない。初回16.9%で今季首位スタートとなった「デスノート」(日本テレビ系)は、3話では8.7%と半減。13.1%と好発進した「ど根性ガエル」(同)も、2話で8.5%と急降下しているのだ。

先の碓井教授は、「今後、視聴率の浮上はないのではないか」と手厳しい。

「『デスノート』は、あまりに完成されていた映画版を今回の窪田正孝と山崎賢人がどう超えるのか。その興味もあって初回は見られたが、前作を凌駕していなかった。『ど根性』も、なぜ今、実写化したのか知りたくて初回は見たものの、30歳になってニートでグダグダのひろし(松山ケンイチ)、離婚して帰ってきてふてくされた京子ちゃん(前田敦子)に魅力を感じられません。結局、満島ひかり演じるピョン吉の“声”のうまさと、Tシャツの動きの映像技術だけでした」

もっとも、夏休みなど外出の多い季節のため、夏ドラマの視聴率は苦戦するとは言われているが、「今季は全体的にチープで、二軍的。どうせ見てもらえないから良作は秋に温存と局側も軽く流しているように見えます。そういう姿勢は視聴者にも見抜かれるということです」(同)

日テレ関係者は、「『ど根性』も『デスノート』も“攻め”のドラマですから拒絶反応も織り込み済み。続編も好調の『花咲舞が黙ってない』があるので、局内には余裕が漂っています」と言うが、対照的なのはフジ。

月9だけでなく、北川景子主演の「探偵の探偵」も2話以降は1桁に落ち込み、視聴率が2桁台のドラマがない状態になっている。

「なによりEXILEのAKIRA主演で消防団を描いた『HEAT』が痛手です。2話、3話と視聴率は1桁台前半で絶望的なのに、ドラマ放送前に映画化も発表してしまっているから、どう落とし前をつけるのか。もはやフジテレビを消火してくれよ、なんて自虐的な意見が出ています。ドラマでこんな前半から悪いニュースが出てしまうと、放送の3ヶ月間、耐えられるのか」(前出・フジ局員)

進むも地獄、退くも地獄?

ライター・成田璃子

(サンデー毎日 2015.08.09号)

村上春樹さんの「親切心」

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仕事の合間に、村上春樹さんの『村上さんのところ』(新潮社)を、パラパラと読んでいます。

どこから読んでもいいし、どこでやめてもいいので、“ちょっと一休み”にぴったりなんですね。

何ヶ所かで、「親切心」という言葉に遭遇しました。

たとえば、「相手にメッセージを送る時に意識している事は何ですか?」という質問に対し、「親切心です。それ以外にありません」。

また、「どれくらい推敲するのでしょうか?」という質問への回答の中で、「推敲は僕の最大の趣味です。(中略)推敲においてもっとも大事なのは、親切心です」と。

気づいていない「親切心」が、他のページにもあるかもしれません。

うーん、親切心かあ、面白いなあ、などと思いながら読んでいると、あっという間に時間が過ぎてしまうので、危険です。

そもそも、この本自体が、村上さんの、読者への親切心の産物でした。




「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

渡辺京二 『気になる人』
晶文社 1620円

著者が気になるという9人が登場する対談集だ。小さな本屋の女性店主。ミカン栽培をしながら絵を描き続けている兼業画家。共通するのは著者と同じく熊本在住であること、そして瞠目すべき取り組みをフツーに行っていることだ。文化が生まれる「場所」を知る。


鹿島 茂 『大読書日記』
青土社 3888円

週刊誌連載の書評エッセイ、15年分である。対象は純文学から漫画まで300冊を超え、厚さ4㌢の大部だ。一冊でも気になる本を見つけたら、それで十分元は取れる。前書きに曰く、「理由は聞くな、本を読め」。読書本来の醍醐味と知の悦楽がここにある。


藤吉政春 『福井モデル~未来は地方から始まる』
文藝春秋 1404円

地域経済の低迷や過疎化など、地方に関する暗い話題は多い。しかし、福井県はちょっと違う。低い完全失業率、い障害者雇用率、小中学校の全国テストで上位、女性就業率の高さも目立つ。本書は、いくつもの「なぜ?」を手掛かりに、地域再生のヒントを探る。

(週刊新潮 2015.07.30号)

週刊朝日で、「ど根性ガエル」についてコメント

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 今期ドラマは人気漫画の実写化が話題を集めていた。

 その一つが、映画化で大ヒットした「デスノート」(日本テレビ系・日曜22時30分)。顔を知る人間の名前を書けば、その相手を死に至らしめる「デスノート」をめぐり、大学生の夜神月(やがみライト)と名探偵Lの対決を軸にしたサスペンスもので、初回は16.9%と好発進が、3話目は8%台にまで失速。

 ドラマライターの田幸和歌子氏は、L役の山崎賢人が残念だという。

「映画版で松山ケンイチが演じたLのインパクトが強烈だっただけに、山崎さんの演技が薄っペラに見えてしまう。今時ビジュアル系だって、あんなチープなメイクはしないです」

 酷評は相次ぐものの、主演の窪田正孝がフルーツサンドを差し入れて、現場は和気あいあいとしているという。

「期待は薄かったのですが、“デスノート”を偶然手にしたことで、凡人だった月が翻弄され、殺人鬼になっていく心理描写が丁寧に描けている。窪田さんの演技力は圧巻です」(田幸氏)

 一方、原作から16年後という大胆なアレンジをしたのは松山ケンイチ主演の「ど根性ガエル」(日本テレビ系・土曜21時)。30歳になり母親に寄生するニートのひろしが、Tシャツに貼りついた平面ガエル・ピョン吉に支えられて立ち直る姿を描く人情劇だ。

「ひろしがニートになった理由など、現代人が抱える闇を描きながらも笑いに包んでいて人間ドラマとして楽しめる。さすがヒューマンモノに定評のある岡田惠和氏の脚本です」(TVコラムニストの桧山珠美氏)

 高い評価もあるが、往年のファンは怒り心頭だと上智大学の碓井広義教授(メディア論)は言う。

「ニートになったひろしやバツイチでグレた京子ちゃんなんて見たくない。どうして今ドラマ化して、原作の世界観を壊してしまうのか。ピョン吉の声を演じる満島ひかりの熱演が光りますが、ストーリーが大事なドラマでCGと声が注目されるのでは本末転倒です」

 初回は13.1%を記録したものの、2話目で8.5%に急降下している。

「最近は視聴者の目が肥え、ドラマの良しあしの判断が早い。1話目で引き込んで2話目で横ばい以上の視聴率をとらないと、右肩下がりになってしまう傾向があるのです」(ドラマ制作関係者)

(週刊朝日 2015年8月7日号より抜粋)

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