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Channel: 碓井広義ブログ
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ゼミ合宿2015(伊豆)3日目 おつかれさま!


「探偵の探偵」北川景子がハマリ役

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日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今回は、ドラマ「探偵の探偵」を取り上げました。


フジテレビ系「探偵の探偵」
主演の北川景子は「HERO」よりもハマリ役
原作は松岡圭祐の同名小説。まず、「探偵の悪事を暴く探偵」という設定がユニークだ。確かに、世の探偵すべてがホームズやポアロのような人物とは限らない。悪徳探偵や犯罪に手を染める探偵がいてもおかしくない。

主人公の紗崎玲奈(北川景子)は、スマ・リサーチ社が運営する探偵スクールを卒業して入社した。配属されたのが、まさに探偵を探偵する「対探偵課」だ。

仕事に打ち込むのには理由があった。かつて高校生だった妹(芳根京子)が惨殺され、その事件の背後に、大物探偵・阿比留(ユースケ・サンタマリアが怪演)の存在があったのだ。警察からも信頼される阿比留への復讐こそが、この物語の主軸である。

玲奈は、ほとんど笑顔を見せない。いつも厳しい顔をしている。全身に怒りのオーラをまとい、他人を寄せつけない。また、身の危険を顧みることもない。

そんなヒロインを、北川はキレのいいアクションを披露しながら見事に演じている。「HERO」でキムタクをサポートするのもいいが、こちらのほうがハマリ役だ。

先週の回では、警察内部にありながら、阿比留への疑念を抱いていた刑事・窪塚(三浦貴大)が殉職した。この三浦もそうだが、探偵社の社長を演じる井浦新や助手の川口春奈など、脇役たちの好演も北川とこのドラマを支えている。終盤に向かって楽しみな一本だ。

(日刊ゲンダイ 2015.08.26)

書評本: ナチスドイツ末期を描く、戦争ミステリー『ゲルマニア』ほか

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何だか、急に涼しくなってきました。

夏の終わりかもしれません。

つい最近まで「暑いなあ」と言っていたのに、それが終わりとなると、ちょっと寂しく感じる。

人間なんて勝手なものですね(笑)。


「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

ハラルト・ギルバース:著、酒寄進一:訳 『ゲルマニア』
集英社文庫 1188円

本邦初訳であるこの小説の主な舞台は、1944年初夏のベルリン。ノルマンディー上陸作戦決行の6月6日まで、後1ヶ月という日曜日から物語は始まる。

かつての敏腕刑事、オッペンハイマーはナチス親衛隊に連行される。ユダヤ人である彼は命の危険を感じたが、秘密裡に命じられたのは娼婦を狙った連続猟奇殺人の捜査だった。少ない手掛かり。微妙な立場。広がる一方の戦禍。だが、オッペンハイマーは緊迫した状況の中で、徐々に真相へと近づいていく。

本書はドイツ推理作家協会賞新人賞受賞作。戦争ミステリーの佳作であり、戦時下の市民がどのように生きていたかを鮮やかに描いている点でも画期的だ。


コロナ・ブックス編集部:編 『作家の珈琲』
平凡社 1728円

いわば“作家たちが愛したもの”シリーズの最新刊だ。喫茶店で『ひょっこりひょうたん島』の台本を書き続けた井上ひさし。山口瞳とロージナ茶房。常盤新平が通った明石屋。植草甚一が常備茶と呼んだ緑缶のMJBコーヒー。読後は喫茶店へ走るか、自分で淹れるか。


荒川洋治 『文学の空気のあるところ』
中央公論新社 2160円

現代詩作家による講演録だ。高見順、詩人の山之口獏、さらに知る人ぞ知る小説家である結城信一や石上玄一郎が語られる。洒脱な語り口の底流にあるのは、人間の核となる部分にこそ突き刺さる、文学に対する畏敬の念だ。“昭和の本棚”の豊かさを再認識する。


写真:岡崎勝久、文:常井健一 
『保守の肖像~自民党総裁六十年史』 
小学館 1404円

自民党初代写真室長のカメラが写し取った、21人の総裁たち。岸信介から安倍晋三まで、内側からだからこ そ捉えることが出来た素顔がここにある。興味深いのは、1989年の宇野宗佑から、風貌も存在感も明らかに変わってくることだ。写真のチカラ、恐るべし。

(新潮書評 2015.08.27号)

HTB北海道テレビ「イチオシ!」 2015.08.28

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MCの国井アナとヒロさん


国井アナがマジックを披露!


オクラホマ藤尾さん

【気まぐれ写真館】 秋風吹く、朝の札幌 2015.08.29

HTB北海道テレビ「イチオシ!モーニング」 2015.08.29

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MCの愛里さんと依田アナ、藤尾さん、福田アナ

野球解説の岩本さん

ファイターズガールの畠山さん、安念さん

今週の「木村愛里さん」

やっぱり、千歳の「柳ばし」で・・・ 2015.08.29

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店先の秋明菊(しゅうめいぎく)

【気まぐれ写真館】 出発10分前のB777(新千歳空港) 2015.08.29


国会10万人行動に参加 2015.08.30

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国会10万人行動に、夫婦で参加してきました。


地下鉄の駅から、続々と人が現れる。

向かうのは国会議事堂だ。

歩く途中の何ヶ所かで、演説やシュプレヒコールの声が起きている。

人の流れは整然と、だが徐々に動きが鈍る。前がつかえてくる。


正門前(上の写真)。

人がいっぱいで、身動きができない。

そういえば、正門前も、また来る途中も、目につくのは中高年や熟年ばかりであることが、ちょっと気になった。

いわゆる若者たちは、どこにいるんだろう。

小雨が降り出す中、法政大教授の山口二郎さんや、ノンフィクション作家の鎌田慧さんなどの話を聞く。

あらためて、ここ何年かの不穏な政策の流れと、安保法案のことを再認識した。


正直言って、大人数で、一斉に、同じ言葉を復唱するといったことは苦手だ。

でも、そんなことは言っていられない。

まさに、たくさんの人と一緒に、「法案反対!」「法案廃棄!」と声に出した。

この法案、やはりダメなものは、ダメです。


主催者側の発表、12万人。

警察側発表、3万人。

12万分の2ですが、行ってよかったと思っています。






















NHK「のど自慢」は、地域の人間ドキュメント

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毎日新聞に、NHK「のど自慢」に関する記事が掲載されました。

この中で、解説しています。


変わらぬ「地域の人間ドキュメント」
のど自慢 70年目の快走
 NHK総合の番組「のど自慢」が、戦後の歩みと共に放送70年目を迎えた。出演者がバンドの生演奏で歌声を披露するスタイルは変わらないが、今もなお音楽番組の週間視聴率でトップを争う人気ぶりだ。

 「のど自慢」は全国を巡回し、毎週日曜午後0時15分から45分間、生放送される。

 7月26日の会場は埼玉県春日部市の市民文化会館。中高生ら20組がマイクを握り、合否を伝える鐘を聞いた時の出場者の表情や、司会の小田切千アナウンサー(45)との会話が客席を沸かせる。

 石原つるさん(77)は、小田切アナから「今日は7年前に亡くなった夫の誕生日」と紹介され、都はるみさんの「好きになった人」を熱唱。「鐘二つ」で不合格だったが、元気な歌声と笑顔が会場を魅了したとして、ゲスト歌手が選ぶ特別賞に輝いた。本番後、「帰ったら仏壇のお父さん(夫)に報告したい」と興奮気味に話した。

 出場枠20組に対し、多い時には2000組以上の応募がある。ディレクターは選曲理由が書かれた応募はがき1枚ずつに目を通し、放送前日の予選会に出場する250組に絞り込む。予選会では小田切アナが出場者を取材。出場者との距離を縮めるためだ。

 「その人の人生を垣間見て、ステージに上がる以上、気持ちよく歌ってもらえるように紹介したい」と小田切アナ。

 ◇音楽番組首位争う

 民放地上波のプロ歌手による音楽番組人気に陰りが見える中、「のど自慢」は今年も、同ジャンルの視聴率週間順位で5位以上をキープ。8月23日も8.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で首位だった。上智大の碓井広義教授(メディア論)は「出場者に寄り添って番組は作られている。地域の人間ドキュメントになっているところが面白い」と分析する。

 スタートは1946年1月19日。当初はラジオ番組で、作曲家の三枝成彰さん(73)の父で初代ディレクターの故・三枝健剛さんが企画。碓井教授は「終戦までメディアに登場することのなかった素人がスポットライトを浴びる番組が始まったのは、民主化の象徴とも言える」と話す。

 48年にはシベリア抑留からの帰還兵が、現地で望郷の思いを込めて歌われていた「異国の丘」で出場し、この歌が大流行するきっかけになった。故・美空ひばりさんや北島三郎さん、ジェロさんらも出場経験がある。

 今年から中学生に門戸を開き、若い視聴者の取り込みにも挑む。矢島良チーフプロデューサー(43)は「出場者の思いを伝える番組であり続けたい」と語る。【須藤唯哉】

(毎日新聞 2015年08月31日)

「刑事7人」と「七人の刑事」

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日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今回は、ドラマ「刑事7人」について書きました。


テレビ朝日系「刑事7人」
独自色を出すことに腐心しているが・・・
これは一種の戦略商品だったはずだ。目標は、ヒットシリーズ「相棒」とは別タイプの刑事ドラマの創出。差別化のため、独自色を出すことに腐心している。

「相棒」の杉下右京(水谷豊)の武器が優れた推理力と洞察力だとすれば、「刑7」の天樹悠(東山紀之)のそれは“時間”へのこだわりだ。毎回、犯人をはじめとする登場人物たちの“空白の時間”が焦点となる。

この設定自体は悪くない。天樹は、「4分の距離をなぜ15分かけて歩いたか」「自首するまでの2時間半は何をしていたか」といった疑問から解決の糸口を見つけていく。ただ、「これって当たり前の捜査の一環なんじゃないの?」と視聴者に思われてしまうところが辛い。天樹の能力が際立ったものに見えないのだ。

もう一つ残念なのが、他の刑事たちの造形。すぐに怒鳴る熱血漢(高嶋政宏)、空気が読めない帰国子女(倉科カナ)、引きこもりの分析屋(片岡愛之助)など、何とも古くて類型的なのだ。しかも、それぞれがバラバラに自己主張しており、キャラが空回りしている。

このタイトル、やはり昭和の名作「七人の刑事」(TBS系)を連想してしまう。「七刑」の特色は、社会問題も取り込む懐の深さと、刑事たちを悩んだり迷ったりする人間として描いた点にあった。さて、「刑7」はどこを目指すのか。

(日刊ゲンダイ 2015.09.01)

キリン「ビターズ」CM 遠藤部長から目が離せない!

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日経MJ(流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。

今回は、キリン「ビターズ」妻編を取り上げました。


キリン「ビターズ」
目が離せない!千変万化の表情
「民王」(テレビ朝日系)は、今期ドラマの中で出色の1本だ。総理大臣(遠藤憲一)と、不肖の息子(菅田将暉)の心が、突然入れ替わってしまう破天荒な物語。

特に、未曾有の状況に陥った総理を演じる遠藤から目が離せない。また、コメディでありながら、政治や権力への風刺劇になっている点も秀逸だ。

このCMでの遠藤はビール事業部長。最近、ライバルのチューハイ事業部が投入した新製品の動向が気になって仕方ない。部下たち(小池栄子、濱田岳)の調査によれば、「とりあえずビール」の牙城を崩しそうな勢いだという。

さらに色っぽすぎる妻(橋本マナミ)も愛飲し、「わたし、メロメロ~」などと言い出す始末だ。遠藤部長はあのワニ顔を千変万化させ、驚いたり憤ったりしている。

男の顔は履歴書で、女の顔は請求書だという。この夫妻にぴったりの言葉だ。チューハイ事業部はもちろん、妻の“謀反”にも負けず、頑張れ!遠藤部長。

(日経MJ2015.08.31)

長澤まさみ「インスタグラム」写真をめぐって・・・

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週刊新潮に掲載された、長澤まさみの「インスタグラム」写真に関する記事。

この中で、コメントしています。


スッピン「長澤まさみ」が集めた“いいね!”の数
 iPhoneなどのスマホで撮影した写真を、日記のように公開するインスタグラム。一般人から著名人まで公開しているのだが、日本の女優で誰が一番見られているかといえば、長澤まさみ(28)。フォロワーの数は、94万人超!

 彼女が8月20日に公開した“スッピン”と思しき写真が“めっちゃキレイ”と、およそ5万件もの“いいね!”を集めている。

「確かにナチュラル風で綺麗です。浴室らしき部屋でシャワーなのか、天井なのか、虚空を見詰めているような変な写真ですが」

 とは上智大学教授の碓井広義氏(メディア論)。

「何か悩みでもあるのでしょうか? カンヌ国際映画祭でも注目された映画『海街diary』の次女役もよかったのですが、長女の綾瀬はるかと四女の広瀬すずにスポットが当たっちゃいましたからね。考えてみれば、彼女はヒロインは演じても、主演は意外に少ない。深夜枠の主演ドラマ『都市伝説の女』(テレビ朝日系)は好評でしたが、注目されたのは彼女の美脚。もっと私を見てよっ! という思いが、この写真に現れているかのよう」

 ご不満なようである。さらに、“バストアップ”云々のコメントが寄せられているのが、彼女のご機嫌を損ねかねないというのはスポーツ紙記者である。

「『海街diary』の宣伝で、広瀬すずと一緒に番組に出ることがありましたが、流石の長澤も17歳の広瀬と並ぶと身体の線が違っていた。特に話題になったのが、胸が垂れている、というもの。確かに広瀬と較べると長澤の位置は低い」

 かつて週刊文春で“巨乳のクセに清純派”などと痛くもない“おっぱい”を探られたこともある長澤ではあったが……。そういえば、彼女のインスタグラムには上半身を捉えた写真が少ないようにも見受けられる。

「女優はカメラマンに撮られてナンボ。自撮りなんかするもんじゃないってことですよ」(前出・碓井教授)

 風呂場で自撮りしたいなら、次はスッポンポンで。

(週刊新潮 2015年9月3日号)

遥か南の島 2015 マウイ①

遥か南の島 2015 マウイ②


拉致被害者救出「ブルーリボンバッジ」は単なる小道具か?

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TBSがドラマで、北朝鮮拉致被害者救出運動のシンボル「ブルーリボンバッジ」を使用。

産経新聞に、その使い方の是非をめぐる記事が掲載されました。

記事の中で、解説しています。


印象操作か? 
拉致解決のブルーリボン 
TBSドラマで悪徳代議士に着用
 8月31日放送のTBSドラマ「SP八剱貴志(やつるぎたかし)」で、北朝鮮による拉致被害者救出を祈るシンボルであるブルーリボンバッジを贈収賄事件で逮捕される政治家役につけていたことが3日、分かった。TBS広報部は「他意はなかった」と説明するが、被害者家族らは救出運動に対して悪印象を持たれかねないことを懸念し、改善を求めている。

 番組は警視庁を舞台にしたドラマ。その中で、便宜を図る見返りに業者から賄賂を振り込ませたして、逮捕される政治家の胸にブルーリボンバッジがつけられていた。

 「悪役」ととられかねない政治家に拉致問題解決を祈るシンボルであるバッジをつけさせる演出が問題だとして、東京都荒川区議の小坂英二氏は1日、TBSに抗議し、事実関係を確認。TBSの担当者から説明を受けたという小坂氏によると、番組の企画、制作はTBSとは別の制作会社が担当した。

 着用理由について担当者は、ニュースなどで安倍晋三首相をはじめ多くの国会議員がバッジを着用しているのを見て「(バッジを付けることで)政治家っぽい雰囲気を出せると思った」などと説明したという。

 産経新聞の取材に対し、TBS広報部は「(バッジは)ドラマの小道具として他意なく用いたが、配慮に欠けていた。今後は注意していきたい」とコメント。バッジ使用の経緯や理由は「担当者が不在のため、答えられない」とした。

 昭和53年8月に拉致された増元るみ子さん(61)=拉致当時(24)=の弟、照明さん(59)は「ブルーリボンは北朝鮮に対する圧力で、多くの人が付けることで『日本人は拉致被害者を忘れていない』という無言の意思表示だと思っている」と説明。ドラマでの使用によって、視聴者の被害者救出運動やブルーリボンに対する印象が悪くなる恐れもあるとして、「イメージダウンにつながるようなことはやめてほしい」と話す。

 拉致問題を調べている「特定失踪者問題調査会」の荒木和博代表は、TBSが「他意はない」としていることに関し、「人の命がかかっている拉致問題をきちんと考えているかどうかがそういうところに出たのではないか。深刻に受け止めてもらいたい」と話す。

 上智大の碓井(うすい)広義教授(メディア論)は「北朝鮮による拉致問題が政治的、外交的に大きな問題として取り上げられる中、単なる小道具としてバッジを扱ったのであれば、あまりに無神経な振る舞い」と指摘。「仮にバッジを付けることで、いい人を装う悪役との設定であったとしても、実際に必死な思いで活動している人たちがいる中では小道具一つも細心の注意を払って用いるべきだ」としている。

(産経新聞 2015.09.04)

遥か南の島 2015 マウイ③

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遥か南の島 2015 マウイ④

書評本: 小熊英二『生きて帰ってきた男』ほか

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慶大SFC(湘南藤沢キャンパス)総合政策学部の小熊英二教授。

かつて、講義に熱中するあまり、教壇から転がり落ちたこともある、異能の先生です。

2012年夏、脱原発と民主主義の再建を求めたデモの様子をカメラに収め、最近、ドキュメンタリー映画として完成させてしまいました。

タイトルは『首相官邸の前で』。

うーん、見てみたい。


「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

小熊英二
『生きて帰ってきた男~ある日本兵の戦争と戦後』
岩波新書 1015円

今年90歳になるシベリア抑留体験者がいる。名前は小熊謙二。生まれは1925(大正14)年で、三島由紀夫と同じく、昭和時代には年号がそのまま年齢を表した。

数年前、謙二は研究者の「聞き取り」の対象となる。語ったのは子供時代、19歳での徴兵、満州の航空通信連隊、収容所生活、敗戦から3年後の復員、そして長い戦後の日々。聞き手は、気鋭の歴史社会学者である息子・英二だ。

謙二の話を軸に構成された本書だが、単なる回想録や戦争体験記ではない。戦前・戦後を縦断する生活史でもあるからだ。庶民にとって戦場が非日常的な場であるならば、戦争に行く前の家庭や仕事という日常はどんなものだったのか。また戦争から帰った後、どのように生きていったのか。本書では、それらを同時代の社会状況とリンクさせながら記述していく。著者が目指したのは「生きられた二〇世紀の歴史」である。

驚くのは、謙二の記憶の確かさと、その記憶を感傷や思い入れで修正したりしないことだ。だからこそ、当時の“普通の人々”の実感や本音を知ることができる。たとえば満州での所属部隊では塹壕を掘るなどの防衛準備も、ろくな訓練もなかった。謙二いわく、「軍隊は「お役所」なんだ。(中略)命令されなかったら何もやらない」。また、シベリアでソ連軍の冬季衣料を目にして日本軍の貧弱さを痛感。「あんな防寒装備でよくソ連軍と戦うつもりだったものだ」と振り返る。

生還した謙二だが、仕事も生活も安定しない。選挙では、アンチ保守政党で共産党や社会党に投票したが、「社会主義だの共産主義だのには、まったく夢は抱いていなかった」。同時に、「戦前日本の軍国主義はもっとまっぴらだった」。

人生の苦しい局面で最も大事なことは何かと問われた謙二は、こう答える。「希望だ。それがあれば、人間は生きていける」。


清泉 亮 
『十字架を背負った尾根~日航機墜落現場の知られざる四季』 
草思社 1944円 

前作『吉原まんだら』で、知られざる“吉原の女帝”の軌跡に迫った著者。本書では、30年前の事故現場を守り続けてきた、名もなき人たちの無償の行為を描いている。そこに暮らす村人が受けとめた「唐突にして深く永劫に刻まれた縁」。もう一つの鎮魂の姿だ。


小路幸也 『怪獣の夏 はるかな星へ』
筑摩書房 1620円

著者初の怪獣小説は、往年のウルトラ少年たちへのお中元だ。1970年夏、小学生が汚れた川で見つけた怪獣の絵。それが事件の発端だった。奇妙な機械人間と巨大怪獣が町を襲い、4人の少年少女と謎の青年が立ち向かう。読後、空を見上げたくなること必至。


海老坂 武 『自由に老いる~おひとりさまのあした』
さくら舎 1512円

誰にとっても老いは未知なる体験だ。何が変わり、何が変わらないのか。準備できること、できないこと。ここは先達の“実感”から学ぶべきだろう。ベストセラー『シングル・ライフ』の著者も今年81歳。自分らしい老いのスタイルを探る参考書として最適だ。


<追記>

『生きて帰ってきた男~ある日本兵の戦争と戦後』が、「小林秀雄賞」を受賞したそうだ。

おめでとうございます!小熊先生。

選考委員の皆さんの慧眼に、拍手です。

ちなみに、「新潮ドキュメント賞」は、永栄潔さんの『ブンヤ暮らし三十六年 回想の朝日新聞』(草思社)に決まったという。

こちらも、発売直後に一読し、当書評欄で取り上げさせていただいた本なので、書評子として嬉しく思います。

遥か南の島 2015 マウイ⑤

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ザ・リッツ・カールトン カパルア

















ラハイナ浄土院


パーティー!






パーティーの主役はマヒナちゃん(1歳)

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