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「ヨルタモリ」わずか1年で終了の真相!?

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発売中の「サンデー毎日」最新号に、「ヨルタモリ」終了に関する記事が掲載されました。

この中で、解説しています。


「ヨルタモリ」1年で終了の
「引き際の美学」
東京・湯島辺りにあるというバー「ホワイトレインボー」で、宮沢りえをママに、タモリと訪れたゲストでトークを繰り広げる。フジテレビ日曜夜の「ヨルタモリ」が、人気絶頂の中、9月末で終わる。なぜ?

「当初からタモリさんとは『1年だけ』の話で始まったので、円満な契約満了です。もっとも、局は続けてほしい意向でしたが、タモリさんの意志は変わらなかった。今のフジは失敗続きで他に終わらせるべき番組を抱える中、好評な番組を手放すことになり、かなりの痛手です」(フジ局員)

視聴者からも惜しむ声は多く、上智大学の碓井広義教授(メディア論)はその魅力をこう話す。

「毎回、ゲストから他の番組では聞いたことのない話が出てくる。タモリさんだからこそですが、通常のトーク番組とは違い、バーという設定だから、くだけた緩やかな雰囲気にゲストも合わせてくる。日曜の夜に、視聴者がちょっと贅沢な時間を過ごした感じが味わえる番組です」

トークの合間に、コントや即興セッションなどが見られることも、ファンの心をくすぐった。

「タモリがテレビに登場した頃から見ていた人にとっては、原点の『密室芸』に通じるある種の懐かしさがあった。ただ、十分なクオリティを保つには想像以上の時間とエネルギーを要し、手間がかかる。『ヨルタモリ』はタモリにとってフジに対する32年の『笑っていいとも!』への“お礼奉公”。1年やったからこの辺でご勘弁、ということでしょう」

ライターの吉田潮さんは、タモリの「引き際の美学」をみたと言う。

「ズルズルと番組を続ける大物もいる中で、素晴らしいです。タモリには『タモリ倶楽部』(テレビ朝日)や『ブラタモリ』(NHK)がありますからね」

著書に『タモリ論』がある作家の樋口毅宏さんは、「どうせなら和田誠や筒井康隆、ピアニストの山下洋輔らも出してほしかった。そこはつくずく残念です」

として、こう続ける。

「タモリにとって番組を1年で終わらせることに意味なんてない。何で終わらせるんですかと聞かれても、はぐらかすだけでしょう。『いいとも!』終焉によって王座から降りたのだから、もういいんです。他者だけでなく、自分の肩の力も抜く、煙に巻くのはタモリの生き方なんです」

前出の碓井教授は「一年の約束だった」という番組の終わり方を「フジを傷つけずに別れる一番良い方法」だと言う。

「ただ、タモリにも見限られたフジ、という印象がついてしまった感はある。局のイメージとしても失うものは大きいですね」

“タモリロス”に陥るのは視聴者よりフジ、か――。

(サンデー毎日 2015.09.13号)


遥か南の島 2015 オアフ①

テレビは、いかに戦争の記憶を引き継ぐか

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北海道新聞に連載している「碓井広義の放送時評」。

今回は、8月の終戦特番について書きました。


  終戦特番 
美化せず再現 戦争のリアル
 敗戦から70年の今年8月。様々な終戦特番が放送された。今後も新たな戦争が起きないようにするために、過去の戦争の記憶を引き継ぐことが重要だ。

 まずドラマだが、最も見応えがあったのは、堀北真希と成宮寛貴の「妻と飛んだ特攻兵」(テレビ朝日)である。舞台は満州。特攻兵を訓練していた少尉(成宮)が、終戦後の8月19日、ソ連軍に対する特攻作戦を敢行した。しかも彼が操縦する戦闘機の後部座席には、結婚から間もない妻(堀北)が乗っていたのだ。一瞬耳を疑うが、実話である。

 当時、満州には多くの民間人が開拓団として入植していたが、日本軍は彼らを見捨てるような形で撤退していった。このドラマでは、開拓団の人たちがどれほどの辛酸をなめたかも丁寧に描いていた。そして、彼らが避難する時間を稼ぐことを目的に、少尉たちはソ連軍の戦車に体当たりするのだ。

 物語全体は、いわゆるメロドラマではない。また戦争を美化する傾向もない。戦争が人々の大切なものを奪う理不尽さを、若い夫婦の短い生涯を通じて伝えていた。出撃前、成宮演じる少尉が基地に残る上官に言う。「これからの日本は、国が国民を苦しめるような、そんな国にならないことを願います」。


 一方、ドキュメンタリーで最も衝撃的だったのが、NHKスペシャル「カラーでみる太平洋戦争~3年8か月・日本人の記録~」である。見せてくれたのは、NHKが国内外で独自に収集した戦時中の映像だ。当時はモノクロ(白黒)フィルムによる撮影がほとんどだが、番組では最新のデジタル技術を駆使して、映像をカラー化していた。

 モノクロに色がついただけかと思っていたが、見事に裏切られる。南の島での壮絶な戦いや、戦時下の庶民の日常が、予想を超える生々しさで再現されていたのだ。戦争が、よりリアルなものとして伝わってきた。

 特に驚いたのは、戦場はもちろん、戦禍の街に横たわる死体の映像だ。これまでテレビで放送されたどんなテレビ番組と比べても、これほど多くの死体が画面に映し出された例はないだろう。制作側の勇気ある決断であり、そのおかげで、「良い戦争」も「正しい戦争」もあり得ないことを、あらためて認識することができた。

「国が国民を苦しめるような国」への傾斜が強まっている、戦後70年の今。テレビというメディアに何ができるか、何をすべきかもまた問われている。

(北海道新聞 2015年9月7日)

「倉本聰トークライブ」の開催

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今週末、札幌で開催される市民公開講座「倉本聰トークライブ」に、司会&聞き手として参加します。


全日本病院学会 市民公開講座

倉本聰トークライブ 「ヒトに問う~自然・人間・命」
司会・聞き手:碓井広義(上智大学文学部教授)

日時:9月12日(土)午後3時~4時(午後2時45分開場)
会場:ロイトン札幌 3階ロイトンホール

入場無料(お申込み不要)
定員 先着500名
※当日定員を超えた場合はご入場できないことがあります

お問い合わせ:
第57回全日本病院学会in北海道 運営事務局電話
011-272-2151

詳細について:
http://www.c-linkage.co.jp/ajha57hokkaido/program.html

遥か南の島 2015 オアフ②

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ワードセンターの映画館

「0011ナポレオン・ソロ アンクルから来た男」を鑑賞
















21世紀の「サンダーバード」がやって来た!

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、「サンダーバード ARE GO」について書きました。


これはこれで楽しみたい
「サンダーバード ARE GO」NHK
先月から、「サンダーバード」の新作シリーズが始まった。おなじみのテーマ曲に乗って国際救助隊、いや「インターナショナル・レスキュー」が大活躍している。

映像としては、CGと特撮のミニチュアセットを融合させたハイブリッド型だ。1965年のオリジナル版を愛する往年のファンは言うかもしれない。「なんだ、スーパーマリオネーションと呼ばれる、リアルな人形劇じゃないのか」と。もちろん、その気持ちも分かるが、これはこれで楽しもうではないか。

比べるのも腹立たしいが、2004年の実写版映画には困った。ヘンに子供向けのストーリーと、生身の人間(しかもイメージ違い)が演じるキャラクターの違和感は半端じゃなかった。サンダーバード2号やペネロープ号のデザインも改悪でしかなく、あれを思えば今回は大健闘だ。

舞台は今から50年後の2065年。だが、島からの出動シーンは50年前に見たオリジナルを踏襲しているから、時間が戻ったような不思議な気分だ。またトレーシー家の人々を始め、人物の顔と動きは、CGなのにどこか人形っぽい。これもまた、ファンのための意識的な仕掛けだろう。

ただしペネロープ嬢はやけにギャル風で、がっかり。 かつての“レディ・ペネロープ”の英国貴族らしさと、黒柳徹子さんの声が少し懐かしい。

(日刊ゲンダイ 2015.09.08)

遥か南の島 2015 オアフ③

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JCCH(Japanese Cultural Center of Hawaii)











ハワイ大学 デニス小川教授

遥か南の島 2015 オアフ④

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ハワイ大学







クリスティーン矢野教授















“異色の探偵ドラマ”も終盤へ

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ビジネスジャーナルに連載している、碓井広義「ひとことでは言えない」。

今回は、“異色の探偵ドラマ”について書きました。


いつも厳しい顔の北川景子 
全身に怒り、容易に他人を寄せつけず
9月に入って、今期の連続テレビドラマも終盤に差しかかってきた。“異色の探偵”が活躍する2本の探偵ドラマにも、ラストが近づいている。

彼女、彼らの異能ぶりを見ておくなら、今のうちだ。

● 『探偵の探偵』(フジテレビ系) 

 『万能鑑定士Q』シリーズ(角川文庫)などで知られる、松岡圭祐の同名小説が原作。まず、「探偵の悪事を暴く探偵」という設定がなんともユニークだ。確かに、すべての探偵がシャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロのような人物とは限らない。いや、そんなにレトロでなくても、世の中には悪徳探偵や犯罪に手を染める探偵がいてもおかしくない。

 主人公の紗崎玲奈(北川景子)は、スマ・リサーチ社が運営する探偵スクールを卒業し、そのまま入社した。配属されたのが、まさに探偵を探偵する「対探偵課」だった。

 玲奈が仕事に打ち込むのには理由があった。かつて高校生だった妹(芳根京子)が惨殺され、その事件の背後に、大物探偵として業界に君臨する阿比留佳則(ユースケ・サンタマリアが怪演)の存在があったのだ。警察からも信頼され、捜査に関与する阿比留への復讐こそが、この物語の主軸である。

 普段、玲奈はほとんど笑顔を見せない。いつも厳しい顔をしている。その全身に怒りのオーラをまとい、容易に他人を寄せつけない。また、身の危険を顧みることもない。

 そんなヒロインを、北川はキレのいい本格的なアクションを披露しながら見事に演じている。『HERO』(フジテレビ系)でキムタクをサポートする事務官も結構だが、こちらのほうがよほどハマリ役だ。

 先日、警察の人間でありながら、阿比留への疑念を抱いていた刑事・窪塚悠馬(三浦貴大)が殉職した。この三浦もそうだが、探偵社の社長を演じる井浦新や助手の川口春奈など、脇役たちの好演も、北川とこのドラマを支えている。ラストに向かって楽しみな一本だ。

● 『僕らプレイボーイズ熟年探偵社』(テレビ東京系)

 若者や女性をターゲットとしたドラマが目立つ中で、『三匹のおっさん』に続く、テレビ東京らしい独自路線といえるのが『僕らプレイボーイズ 熟年探偵社』である。

 何しろ主演の高橋克実(54)が最年少だから驚く。共演者も石田純一(61)、笹野高史(67)、角野卓造(67)、伊東四朗(78)というベテランぞろい。まさに熟年の、熟年による、熟年のためのドラマになっている。

 リストラに遭った高橋の再就職先が探偵社だった。元刑事、元五輪選手といった経歴を持つメンバーの仲間になる。毎回読み切りの物語はいわゆるハードボイルドではなく、もちろん殺人など血なまぐさい事件も起きない。迷子のペット探し、初恋の人探し、中高年の引きこもり解消などが依頼の案件だ。とはいえ、その背景には涙や笑いの人間模様がある。

 5人の探偵たちは、それぞれのキャリアを生かして調査を進める。しかも、チームというより個人プレイの集積という雰囲気に好感がもてる。長い間、組織に属して仕事をしてきた男たちにとって、業務命令やノルマはもうたくさんだ。熟年になったら、できるだけ自由に動きたいではないか。このシニア探偵たちの“ゆる~い連帯”が気持ちいい。

 また、このドラマではゲスト出演者も熟年となる。田中美佐子、市毛良枝、秋野暢子、杜けあきなど、往年の美人女優たちによる練達の演技を楽しめるのも、熟年ドラマならではの醍醐味だろう。

(ビジネスジャーナル 2015年9月7日)

12日(土)、「倉本聰 トークライブ」開催

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12日(土)、札幌で開催される市民公開講座「倉本聰 トークライブ」に、司会&聞き手として参加します。


全日本病院学会 市民公開講座

倉本聰 トークライブ
「ヒトに問う~自然・人間・命」

司会・聞き手:碓井広義(上智大学文学部教授)

日時:9月12日(土)午後3時~4時(午後2時45分開場)
会場:ロイトン札幌 3階ロイトンホール

入場無料(お申込み不要)
定員 先着500名
※当日定員を超えた場合はご入場できないことがあります

お問い合わせ:
第57回全日本病院学会in北海道 運営事務局電話
011-272-2151


<皆さんへ 倉本聰からのメッセージ>

タイトルを「人に問う」ではなく、「ヒトに問う」としました。なぜか。

この問いを僕は、地位とか立場とか身分とかしがらみとか、個人の事情とか組織の事情とか、貧富とか思想とか職業とか利害とか、更に云うなら民族とか国家とか、そうしたあらゆる束縛を排除した、地球の上の何億という命の中の微小な存在としての人類というヒト。

その一人としての「あなた」に対して真剣に考えて欲しいと思い、ヒトという片仮名を使ったのです。

僕らは偉くなりすぎてしまった。いや俺は偉くないと云うなかれ。僕自身を含めてヒトという存在は、気づかぬうちに異常に偉くなり、本来の「あたりまえ」の基準を気づかないうちに異常に上昇させ、たとえば地球上の自然現象、宇宙の中の地球という存在、もしかしたら宇宙そのものに対してすら、「上から目線」になってしまった。

だから我々は地震や津波や、熱波や旱魃(かんばつ)や集中豪雨を、平然たる態度で「災害」と云い切る。果たしてそれは災害なのだろうか。宇宙システムの中にあって、それは単なる当然の変動で、それがヒトにとって不利益をもたらすから一方的且つ独善的に災害という言葉で呼んでいるのではあるまいか。

そこで皆さんに、三つの質問をしたい。まず、「ヒトは何によって生きているのか」。金か、平和か、安全か、酸素か、水か、食料か。次に、「誰の為ならあなたは死ねるか」。そして最後の質問は、「人類はこの後どこまで続くのか」。

放送から35年となるドラマ『北の国から』。黒板五郎が僕たちに投げかけた「問い」は、形を変えながら現在も生きている。ぜひ皆さんと一緒に、考えてみたいと思っています。

倉本 聰

遥か南の島 2015 オアフ⑤

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ホノルルの出雲大社





ホノルルの中華街



ホノルルの孫文先生

孫文先生に見送られて、これより帰国です

テレビ局の「コネ入社」をめぐって

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NEWSポストセブンに、テレビ局の「コネ入社」に関する特集記事が掲載されました。

この記事の中で、解説しています。


テレビ局に多い「コネ入社」 
批判されながらも採用続ける理由
 テレビ局社員にはなぜか、タレントや政治家、財界人などの子供や親戚が多い。最近では2014年に、安倍晋三首相(60)の甥がフジテレビに入社していることが話題になった。また、歌手の藤井フミヤ(52)の長男が、来年4月入社のフジテレビのアナウンサー職に内定したと報じられ、就活生らの間で「コネではないか」との声が出ている。

 なぜ、テレビ局は「コネ入社」が多いと言われるのか。元テレビプロデューサーの碓井広義さん(上智大学文学部新聞学科教授)はこう解説する。

「何かと注目されるテレビ局は内部情報が表に出やすいので、他業種より目立つという事情もあると思います。例えば、有名人の子供がメガバンクや大手商社など、テレビ局以外の人気就職先にコネで入っているケースだってあるかもしれません。

 実際、広告代理店なんかには、有名人の二世がたくさんいます。でも彼らがそこで働いているということは、ほとんど表には出てきません。だから他の業界との比較はできませんが、それでも多くの人が”テレビ局にはコネ社員が多い”という印象を持っているのは確かだと思いますですよね」

 もちろん、各テレビ局や本人たちがコネ入社を認めることはない。どの局も「公平・公正に入社試験を行った結果」と説明するのが普通だ。しかし2013年、当時日本テレビの社員だったみのもんた(71)の次男が窃盗容疑で逮捕されて諭旨解雇された際に、みのはインタビューや手記などでコネ入社があったと発言した(当時、みのが語ったコネ入社ついて日本テレビの社長が否定)。この時、「やっぱりコネ入社はあるのか」と思った人は少なくないだろう。

 特に有名人の子息、親戚が多いのがフジテレビだ。安倍首相の甥だけではない。高橋英樹(71)の娘・高橋真麻(33歳、2013年退社・フリー)、生田斗真(30)の弟・生田竜聖(28)、アナウンサー以外では、陣内孝則(52)の息子もいる。有名人の関係者が毎年のように入社しているのだ。フジテレビに有名人の血縁関係者が多いのはなぜか。

「フジテレビの場合は専務取締役の遠藤龍之介さんも、小説家の遠藤周作の長男ということで、昔から有名人の子息を採用することへの抵抗が少ない会社なのかもしれません。民間企業であるテレビ局が誰を採用しようが自由なのですが、マスコミはジャーナリズムという使命も背負っています。世間一般ではコネ入社が”ズル”と考えられているわけで、”世の不正を正すべき報道機関がズルをしていいの?”というふうに見る人は多いでしょうね」(碓井さん)

 例年、テレビ局の採用枠は、民放のキー局でも10~20人程度だ。採用枠が狭いうえに人気業種のため、倍率は数百倍にもなる。有名人の関係者に内定が出たことが知れわたれば、数万人の就活生からブーイングを受けることはわかりきっている。それでも有名人の関係者を採用し続けるメリットはどこにあるのか。

「例えば藤井フミヤさんの息子さんが実際に入社したとします。それで藤井フミヤさんに番組作りのサポートをしてもらうとか、そういったメリットを考えているわけではないと思います。それよりも、”音楽業界を大事にしているフジテレビ”ということを対外的に見せて、音楽業界との親和性を高めたいという思惑のほうが強いでしょう」(碓井さん)

 政治家の血縁関係者がいることのメリットはどうだろうか。フジテレビには前述の安部首相の甥がいるが、小渕恵三元首相の娘・小渕優子衆院議員(41)がTBS、石原慎太郎元東京都知事(82)の息子・石原伸晃衆院議員(58)が日本テレビの元社員だったように、政治家とテレビ局は採用において昔から蜜月関係にある。

「政治家の子供を採用しておいて、恩を売っておくのも悪くない、という考えもあるかもしれません。彼らはいずれ、局を辞めて政治家になる可能性もありますので。政治家の子供だからといって永田町の情報をダイレクトに入手できるわけではありませんが、普通の記者なら門前払いの取材先も、『〇〇の娘です』なんていえば、簡単に取材オーケーとなることもあります。そのように親の看板を使って、バラエティー番組やグルメ番組などの取材でも、普通なら撮れない映像を撮ってくるということは考えられます」(碓井さん)

確かに、そう考えれば実務上のメリットは計り知れない。コネも何もない“使えない社員”よりは局にとっての利点は大きいだろう。

しかし一方で、政治家の血縁関係者を採用することが、報道機関として自己矛盾を抱えることにもつながると碓井さんは指摘する。

「マスコミには権力を監視するという重要な役割があります。”政治家の身内が内部にいて、まともに政権批判ができるのか”といったことは言われるでしょう」

 制作力に影響がないとも言えない。視聴率低迷にあえぐフジテレビに対して、「コネ入社が多いせいで、クリエイティブ力が下がっているのではないか」と指摘する声は少なくない。

「有名人の子供だからといって優遇されるのは入社時だけです。入った後は実力勝負の世界ですから、コネ入社と制作力の直接の因果関係があるとは言い切れません。ただ、少ない採用枠への“落下傘入社”が長年にわたって続けば、もしかしたら本当は実力でその席に座るべき人が現場にいないということも考えられます。フジでいえば、月9ドラマの危機を救うような人が入社試験で落とされていた、なんてことがあったかもしれませんね」(碓井さん)

 コネ入社が良いか悪いか、簡単には決めつけられない。高橋真麻のように入社以来、「コネに違いない」と言われながら、人気、実力ともに備えたアナウンサーは少なくない。ただそれは、「テレビ局側の価値観、倫理観も問われる」(碓井さん)ことであり、単純な損得勘定で済ませられるものではないことだけは確かだろう。

(NEWSポストセブン 2015.09.08)

【気まぐれ写真館】 まずは、千歳市「柳ばし」で  2015.09.11

【気まぐれ写真館】 札幌で兵庫県!?  2015.09.11

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札幌駅でPR中の兵庫県キャラクター「はばタン」
「姫路お城の女王」&「クイーン淡路」

今年の「終戦特番」を総括すると・・・

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「ヤフー!ニュース個人」に連載している、碓井広義の「わからないことだらけ」。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/usuihiroyoshi/

最新記事を、転載しておきます。


あらためて、今年の終戦特番を総括する
敗戦から70年となる今年の8月。NHKと民放で、様々な終戦特番が放送された。今後も新たな戦争が起きないようにするためにも、過去の戦争の記憶を引き継ぐことは重要だ。あらためて今年の終戦特番を総括する。


戦争の理不尽さを伝えた、ドラマ「妻と飛んだ特攻兵」

まず、ドラマを振り返る。2夜連続の「レッドクロス~女たちの赤紙~」(8月1日・2日、TBS)は、松嶋菜々子主演で従軍看護婦たちの戦いを描いていた。

また、「一番電車が走った」(10日、NHK)は、原爆投下から3日後に、女学生(黒島結菜)たちが路面電車を走らせた実話をドラマ化したものだ。

どちらも戦争と女性をテーマにした力作だったが、一連の終戦ドラマの中で最も見応えがあったのは、堀北真希と成宮寛貴が主演した「妻と飛んだ特攻兵」(16日、テレビ朝日)である。

舞台は満州。特攻兵の訓練を担当していた少尉(成宮)が、終戦後の8月19日に、ソ連軍に対する特攻作戦を敢行した。しかも、彼が操縦する戦闘機の後部座席には、結婚から間もない妻(堀北)が乗っていたのだ。一瞬耳を疑うが、実話が基になっている。

当時、満州には多くの民間人が開拓団として入植していたが、日本軍は彼らを見捨てるような形で撤退していった。このドラマでは、開拓団の人たちがどれほどの辛酸をなめたかも丁寧に描いていた。そして、彼らが避難する時間を稼ぐことを目的に、11人の特攻兵が侵攻してきたソ連軍の戦車に体当たりするのだ。

物語全体は、いわゆるメロドラマではない。また戦争を美化するような隙も見せない。堀北の凛とした美しさに頼り過ぎることなく、戦争が人々の大切なものを奪い、全てを破壊し尽す理不尽さを伝えていた。

出撃前、成宮演じる少尉が基地に残る上官(杉本哲太)に言う。「これからの日本は、国が国民を苦しめるような、そんな国にならないことを願います」


NHKスペシャル「カラーでみる太平洋戦争~3年8か月・日本人の記録~」の衝撃

一方、ドキュメンタリーでは、「私たちに戦争を教えてください~いま、会っておかなければいけない人がいる 今日、聞いておかなければいけない声がある~」(15日、フジテレビ)や、「戦後70年 千の証言スペシャル 私の街も戦場だった2 今伝えたい家族の物語」(15日、TBS)が目を引いた。

共通するのは、「戦争を学ぼう」という基本姿勢だ。もちろん、それ自体は悪くない。ただ、そこに若手人気俳優やタレントの投入が必要だったのか、疑問が残る。たとえば、「私たちに・・」では、戦争経験者の話を聞きに行くのが福士蒼汰、有村架純、広瀬すずなどだった。若年視聴者の代表という設定かもしれないが、彼らの反応のほうが気になって、貴重な証言に集中できない視聴者も多かったのではないか。単なる話題作り、視聴率対策にしか見えなかったのが残念だ。

そんな中で衝撃的だったのが、15日のNHKスペシャル「カラーでみる太平洋戦争~3年8か月・日本人の記録~」である。

見せてくれたのは、NHKが独自に国内外で収集した戦時中の映像だ。当時はモノクロフィルムによる撮影がほとんどだが、番組では最新のデジタル技術を駆使して、映像をカラー化していた。モノクロに色がついただけかと思っていたが、見事に裏切られる。南の島での壮絶な戦いや、戦時下の庶民の日常が、予想を超える生々しさで再現されていたのだ。戦争が、よりリアルなものとして伝わってきた。

特に驚いたのは、戦場はもちろん、戦禍の街に横たわる死体の映像だ。これまでテレビで放送されたどんなテレビ番組と比べても、これほど多くの死体が画面に映し出された例はないだろう。制作側の勇気ある決断であり、そのおかげで、「良い戦争」も「正しい戦争」もあり得ないことを、あらためて認識することができた。

「国が国民を苦しめるような国」への傾斜が強まっている、戦後70年の今。テレビというメディアに何ができるか、何をすべきかもまた問われている。

(ヤフー!ニュース個人/碓井広義の「わからないことだらけ」
 2015.09.11)

満員御礼!札幌で「倉本聰トークライブ」 2015.09.12

書評本: 川本三郎 『サスペンス映画 ここにあり』ほか

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「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

川本三郎 『サスペンス映画 ここにあり』
平凡社 3024円

既刊『時代劇 ここにあり』の姉妹編。1940~60年代の名品、55本が並ぶ。映画ファンでも知らないと思われるものが多いが、本書を読むだけで見たくなる。著者はサスペンス映画の魅力を「暗さ」だと言う。明るく楽しいハリウッド映画だけが映画ではない。


津野海太郎 『百歳までの読書術』
本の雑誌社 1836円

60年代から活躍した編集者であり、花森安治や植草甚一の傑作評伝の著者でもある。本書は今年喜寿を迎えた書物の達人による、老年読書の極意だ。本選び、蔵書の心得、図書館活用法など、豊富な知識と経験からくるヒントを、ユーモアと苦味を交えて語っていく。


宇都宮 聡、川崎 悟司 『日本の白亜紀・恐竜図鑑』
築地書館 2376円

映画『ジュラシック・パーク』では、バイオテクノロジーで蘇った恐竜たちが大暴れする。白亜紀はジュラ紀に続く地質時代だ。その頃の日本の陸や海に、どんな動物たちが生息していたのか。ページをめくる毎に、1億4500~6000万年前の世界が広がっていく。


相倉久人 『されどスウィング~相倉久人自選集』
青土社 2376円

今年7月に83歳で亡くなった音楽評論家の遺作である。50~60年代に孤高のジャズ評論家として活躍しながら、71年には撤退。翌年のディープパープル来日公演を機にロック評論を開始した過激派でもある。『新書で入門 ジャズの歴史』(新潮新書)も併読したい。


ジュリカ・カジェ:著、山本知子・相川千尋:訳
『なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか』
徳間書店 1728円

著者は新進気鋭の女性経済学者。トマ・ピケティ夫人でもある。本書では新聞など活字ジャーナリズムを救う方策として、財団と株式会社の中間形態「非営利のメディア会社」を提案している。情報が社会を支える“公共財”であることを再認識すべき時なのだ。

(週刊新潮 2015.09.10号)

安全保障関連法案に反対する「放送人の会」有志の声明

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[安全保障関連法案に反対する「放送人の会」有志の声明]
放送人の会」は、放送に関わる個人が、組織・地域・世代・国籍の違いをこえて交流し啓発しあうとともに、 市民との積極的な意見交換を図ることによって、放送人の育成、放送文化の継承と発展充実に寄与することを目的とする集まりです。

放送人にとって、「表現の自由」はかけがえのない権利です。戦争になれば、はじめに抑圧されるのがこの自由です。戦後日本の放送は、アジアへの侵略・植民地支配、そして自国民の多大な犠牲という負の遺産を背負ってスタートしました。この14年間、「放送人の会」は、日中韓の制作者の交流の場を通して、加害・被害の溝をこえる努力を続けてきました。

しかるに、安倍政権は圧倒的多数の憲法学者が「違憲」とする「集団的自衛権行使容認」を閣議決定し、「安全保障関連法案」を強引に採決しようとしています。この間の政治家による放送メディアに対する干渉や暴言は目にあまるものがあり、立憲主義、民主主義はまさに危機に瀕しています。

安倍首相の「戦後70年談話」は、欧米列強への“挑戦”の失敗を反省するばかりで、アジアへの謝罪が欠落したものになっています。「戦後」が再び「戦前」に逆行しかねない今、現政権の姿勢を、言論・表現に関わる放送人は見過ごすことができません。

私たち「放送人の会」有志は、現在および将来の放送と放送文化を守るために、安全保障関連法案の廃案を強く求めます。
                             2015年8月28日
呼びかけ人
曽根英二、桜井均、渡辺紘史、村上雅通、金平茂紀、堀川とんこう、藤久ミネ

賛同者氏名
伊藤雅浩 井上佳子 碓井広義 太田昌宏 緒方陽一 小河原正己 荻野慶人 尾田晶子 加賀美幸子 各務孝 勝部領樹 加藤滋紀 鎌内啓子 河村正一 北川泰三 北村充史 北村美憲 木村成忠 工藤英博 隈部紀生 河野尚行 小山帥人 今野勉 斎明寺以玖子 坂元良江 佐々木彰 佐々木光政 菅野高至 鈴木典之 鈴木嘉一 須磨章 橋練 田中直人 田原茂行 辻本昌平 戸田桂太 外崎宏司 中崎清栄 中島僚 永野敏一 長沼士朗 中村芙美子 並木章 西村与志木 林健嗣 藤村忠寿 前川英樹 牧之瀬恵子 松尾羊一 三宅恭次 村上佑二 諸橋毅一 八木康夫 山県昭彦 山崎裕 山路家子 山田尚 横山英治 吉田賢策 吉村豪介 吉村直樹 他 計68名


会員有志の「声明」に至る経緯と「会としての」基本的考え方
「安保関連法案と放送人の会」
2015.8.28.
会 長 今野 勉
会員各位

7月25日の理事会において、現在国会で審議中の安全保障関連法案について「放送人の会」として反対意見を表明すべきではないかという提案がありました。

理事会では、これについて賛同する意見とともに、「個々人の自由意思による参加で成立している放送人の会としては馴染まないのではないか」等の疑問も提示されました。

理事会としては、戦後70年との関係で「テレビは戦争をどう伝えたか」というテーマで番組上映と議論の場を設定し会員が参加することで「会」としての問題提起としたい、という整理が行われました。

そのうえで、あらためて数名の理事から安保関連法案に対して何らかのアピールが必要であるという強い意向が伝えられため、8月24日に会長である私を交えて議論を行いました。

そこで安保法案についての意見表明とシンポジゥムついて、以下のような方向で対応することで意見の一致を見ましたので、その旨を理事の皆様にお知らせしご了解を頂いたところです。

1. 「放送人の会」は会員全員が自由な意思表示を行うことができる組織です。したがって、この件についても何らかの意思表示をしたい会員が、会報あるいはホームページ等にその意見を表明し、会員に呼びかけることは会の趣旨に沿うことであると考えます。

2. 意見表明に会員個人が賛同することは自由であると考えます。仮に会員全員が賛同したとしても、それは各個人の意思表示であるということです。

3. その場合、その個人が所属する組織は「放送人の会」であり、その「放送人の会有志」として意見表明がされることは許されると考えます。

4. 「安保法案に反対の声明」とその賛同者の名前(名前の公表に同意した者のみ)を会報とホームページに掲載します。

以上の基本的考え方に沿って、別添の「意見表明」を呼びかけ人から会員各位にお送りしますので、別紙用紙で会員の皆様のお考えをお聞かせください。

理事の中にも「有志」とはいえ「会」の名前を使うことについての懸念、等の意見がありました。私としてはそうした意見を受け止めた上での判断です。会員各位も「声明」内容だけでなく、会としてのあり方も含めて自由にお書きください。個々人の自由意志、それこそがこの「会」のもっとも大事なことだと考えています。公表のご了解をいただいた会員のご意見を会報等で共有し、さらに議論を深めたいと思います。

有志の声明についての「会員の意見」
http://www.hosojin.com/doc/iken.pdf


シンポジウム「戦後70年、放送は何を伝えたか」
戦後70年目の今年は、「安全保障法案」の国会審議と「70年首相談話」の発表が重なり、関連する多くの番組が放送されました。

前者は、日米安保体制に関する番組として、後者は歴史認識に関わる番組として、それぞれ今までにない切り口のものに注目すべきものがありました。

戦後日本の国際社会、ことにアジアへの復帰をテーマとしたものから、「安倍首相談話」に対するアジアからの批判を意識した番組まで、総じて戦後レジームに関わるものが目立ちました。

戦後70年目の日本社会が“戦後の終わり”にいるのか、“戦前の始まり”にいるのかという問題意識の表れかもしれません。しかし、相変わらず「戦争の悲惨を描けば戦争に反対したことになる」という楽観的な番組も数多くありました。

戦後70年は、戦争に関わる放送にとっても大きな分岐点です。

「放送人の会」は、以上のような視点から番組を選び出し、放送の可能性、限界などについて活発な議論をしたいと思います。


以 上

(放送人サイトより)

「花咲舞が黙ってない」が支持されたのはなぜか?

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、「花咲舞が黙ってない」について書きました。


日本テレビ系「花咲舞が黙ってない」
なぜ、これほど支持されたのか
今週、最終回を迎える「花咲舞が黙ってない」。先週までの平均視聴率は14%を超え、他のドラマが低調だったこともあり、一人勝ちと言っていい。なぜ、これほど支持されたのか。

「花咲――」は、「半沢直樹」(TBS系)同様、銀行が舞台のドラマだ。舞(杏)が所属するのは、トラブルを抱えた支店を指導する臨店班。まず、この設定が効いている。

なぜなら、毎回、舞が異なる支店を訪れ、問題解決に奮闘できるからだ。水戸黄門が行く先々の藩で悪を暴き、不正を正すパターンを踏襲している。窓口業務のように同じ支店に居続けていたら、舞の活躍は困難だった。

しかも、舞はあくまでも一般行員である。“天下の副将軍”水戸光圀公のように、印籠一つで相手を平伏させることは出来ない。悪の小権力を倒す、正義の大権力ではないのだ。

そんな舞が、たとえ相手が上役であっても、間違ったことや筋の通らぬことに対しては、「お言葉を返すようですが・・」と一歩も引かないから痛快なのである。

もう一つ、舞が単独ではなく、同じ臨店班の相馬健(上川隆也)とコンビで動いていることも大きい。舞の背中を押したり、ブレーキをかけたりと忙しい相馬。舞の暴走に手を焼きながらも、陰で支えてくれる“相棒”の存在は、物語に膨らみを与えている。一歩引いた上川の好演も功績大だ。

(日刊ゲンダイ 2015.09.15)

紀伊国屋書店「上智大学店」オープン!

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夏休みの間に、「丸善」から「紀伊国屋書店」へと変身!


並ぶ村上春樹さんの新刊。初版9割確保の紀伊国屋ですから。
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