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Channel: 碓井広義ブログ
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週刊新潮で、「イスラム国」制作の映像について解説

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すべてメディア戦略
(中略)

上に並んだ数々も「アル=ハヤート」が制作した映像である。

右上の爆破シーンには“天国への入口”、すぐ下の戦地に向かう映像は“レッツ・ゴー・フォー・ジハード”と英語でテロップが加えられている。まさにプロモーションビデオである。

「彼らの目的は、プロパガンダ。残虐性を誇示することではなく、自分たちの情報を世界中に拡散することが狙いですから、視聴者が見入ってしまうインパクトが必要なのです」 とは上智大学の碓井広義教授(メディア論)である。

その戦略は、後藤健二さんを殺害した映像にまで見て取れるという。

「彼らが人質を殺害する映像の多くは、首にナイフを突き立てるところで画面が暗転します。首を切断するところをあえて見せないことで、視聴者に頭の中で想像させ、より深い印象を与えるという映画やドラマの手法です。

また暗転は、舞台でよく使われる演劇的な演出でもあります。その後、実際に遺体を見せることで、イスラム国の有言実行のメッセージを植え付けることが出来るのです」(同)  

一方、「アル=ハヤート」の映像はテロップの切り替えも凄まじく速い。中央の映像など画面も文字も分割され、一見何を訴えたいのかわからないほど。

「サブリミナル効果を狙っているふしがある。気になるから何度も見るうち、意味のあるフラッシュを見つけることも」(同)  

巧みな映像戦略の効果か、3万人ともいわれるイスラム国戦闘員のうち1万5000人以上が外国人戦闘員であり、その中には日本人も含まれるのだ。その詳細は22頁からの特集で。

(週刊新潮 2015.02.15号)

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