【書評した本】 なぎら健壱『高田渡に会いに行く』
近親者の証言をたどって描く 今は亡きフォーク歌手の新たな一面 なぎら健壱『高田渡に会いに行く』 駒草出版 2,750円 2016年春のことだ。突然テレビから高田渡の歌声が聞こえてきた。しかもアイスキャンディー「ガリガリ君」のCMだ。過去25年間、据え置いてきた60円の定価を、10円値上げするという告知である。...
View Article【解読『おちょやん』】 ヨシヲたちの悪だくみから垣間見えた 「興行界の暗黒史」
【解読『おちょやん』】 ヨシヲたちの悪だくみから垣間見えた 「興行界の暗黒史」 NHK連続テレビ小説『おちょやん』の第12週(2月22日~26日)。千代(杉咲花)と弟・ヨシヲ(倉悠貴)の「再会」と「別れ」が描かれました。しかも、「興行界の暗黒史」まで垣間見せてくれたのです。 ドラマの時代背景は、昭和4年(1929)2月。千代たちの「鶴亀家庭劇」は、次の公演に向けて準備を進めていました。...
View Article『MIU404』の演出家に、「芸術選奨」文部科学大臣新人賞
『MIU404』の塚原あゆ子ディレクターに、 「芸術選奨」文部科学大臣新人賞! 3月3日、文化庁が主催する、令和2年度(第71回)「芸術選奨」の受賞者が発表されました。 選考審査員として参加させていただいた「放送部門」。 文部科学大臣賞は、南海放送ディレクターの伊東英朗さん。文部科学大臣新人賞が、演出家の塚原あゆ子さんです。 お二人とも、おめでとうございます!...
View Article『俺の家の話』は、一体どこがスゴイのか?
長瀬智也×クドカン『俺の家の話』は、 一体どこがスゴイのか? 「クドカンドラマ」であること たくさんのドラマの中から「これを見よう」と決める時、その選択基準は何でしょうか。 告知情報などで知った概要。刑事ものとか医療ものとかのジャンル。好きな俳優や人気女優が出ている。 さらに「脚本家」で選ぶという人も少なくないと思います。...
View Article【書評した本】 坪内祐三『最後の人声天語』
時代を危惧し嘆いた著者最後の「声」 坪内祐三『最後の人声天語』 文春新書 1045円 坪内祐三が『文藝春秋』に連載していたコラム「人声天語」。それは朝日新聞「天声人語」のパロディではない。 「天声」はパブリックなイメージだが、「人声」は個人的な声だ。坪内は2003年6月号の初回で、「反射神経による発言」だと明かしている。...
View Article「青天を衝け」現代を逆照射できるか
大河ドラマ「青天を衝け」 現代を逆照射できるか NHK大河ドラマ「青天を衝け」が始まった。主人公は渋沢栄一。天保11年(1840)に現在の埼玉県深谷市の農家に生まれ、一橋慶喜の家臣として幕末を生き、明治維新後は官僚となった。...
View Article「3.11」から10年 進む速度は人それぞれ
ドラマ「あなたのそばで明日が笑う」 進む速度は人それぞれ 東日本大震災から10年。いくつもの関連番組が並ぶが、6日放送の特集ドラマ「あなたのそばで明日が笑う」(NHK)は静かな佳作だった。 真城蒼(綾瀬はるか)の夫、高臣(高良健吾)は震災で行方不明となった。また高臣と義母(阿川佐和子)が営んでいた書店も流された。...
View Article実録路線の「おちょやん」 その課題と後半への期待
実録路線の「おちょやん」 その課題と後半への期待 2月末で前半が終了した、NHK連続テレビ小説「おちょやん」。杉咲花が演じる竹井千代のモデルは浪花千栄子である。明治の生まれで大正時代から舞台に立ち、戦後も映画やテレビで活躍した実在の女優だ。...
View Article『ボス恋』が、 スポンサーにケンカを売った!?
最終回直前の『ボス恋』が、 スポンサーにケンカを売った!? 「なんだ、もう次で終わりかあ」と嘆くファンは多いかもしれません。『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)は、来週が最終回になります。 波乱の「ラス前」 連ドラの最終回直前、いわゆる「ラス前」っていうのは、結構波乱があるものです。9日に放送された『ボス恋』第9話も例外ではありませんでした。...
View Article朝ドラ『おちょやん』の「時代背景」がよく分からない
朝ドラ『おちょやん』の 「時代背景」がよく分からない 「いつの時代」の話なのか? 「これって、いつの時代の話をしてるんだろう?」 そんなふうに思ったこと、ありませんか? NHK朝ドラ『おちょやん』です。 第14週(3月8日~12日)では、千代(杉咲花)や一平(成田凌)たちの「鶴亀家庭劇」と、須賀廼家万太郎(板尾創路)の「万太郎一座」が、集客数を競う勝負が描かれていました。...
View ArticleアサヒスーパードライCM「春、待ってるよ」編
アサヒスーパードライ 「春、待ってるよ」編 離れていても寄り添える コロナ禍が続く中、もうすぐ2度目の春がやって来る。以前のようなお花見は出来ないが、花咲く季節の到来はやはり待ち遠しい。 それはアサヒスーパードライの新CMに登場した、元乃木坂46の白石麻衣さんと西野七瀬さんも同様だ。...
View Article週刊新潮で、「韓ドラ」について解説
「愛の不時着」の次に観るべき韓ドラは? 通が教える作品リスト、 恋愛モノから社会派まで 暦の上では春でも雪解け遠い日韓関係とは対照的に、日本では空前の韓流ブームが沸き起こっている。きっかけとなったドラマはとうに最終回の放映を終えたが、行き場をなくしたファンの心はさまようばかり。ロスを抱えた人々に送る「韓国ドラマ」の処方箋である。...
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